平成27年度 春期理事会議事録

平成27年度日本寄生虫学会春期新旧合同理事会議事録

 

開催日時 平成27年3月21日(水)11:30〜15:00

開催場所 杏林大学三鷹キャンパス医学部基礎棟3F会議室

 

出席者:五十嵐郁男、板垣 匡、太田伸生、片倉 賢、狩野繁之、河津信一郎、小林富美惠、坪井敬文、名和行文(機関誌編集長)、野崎智義、久枝 一、平山謙二、福本宗嗣、堀井俊宏、松岡裕之、松本芳嗣、丸山治彦、千種雄一、鳥居本美、由井克之

欠席者:北 潔、斎藤あつ子、善本知広(敬称略)(五十音順、敬称略)

オブザーバ:赤尾信明(庶務委員)

 

太田理事長より、3名の理事が欠席であるが、開会に必要な定数を満たしていることが報告された。また、今回の理事会は新しく選出された理事も参加する新旧合同理事会として開催するが、新理事は現理事の退任まではオブザーバとしての参加となる旨の発言ののち、理事会が開催された。

 

【報告事項】

1.会員動向

平成27年3月2日現在の会員動向について太田理事長より説明があった。

2.会務関係

(1)小泉賞・奨励賞審査委員選挙結果報告

松本選挙管理委員会委員長より、小泉賞・奨励賞審査委員選挙結果が以下の通り報告された。

青木克己 赤尾信明 五十嵐郁男 太田伸生 片倉 賢 金子 修
狩野繁之 河津信一郎 北 潔 小林富美惠 坪井敬文 鳥居本美
野崎智義 久枝 一 平山謙二 堀井俊宏 松本芳嗣 丸山治彦

(2)小泉賞・奨励賞審査経過報告

小林審査委員長より、審査経過について説明があり、本年度の小泉賞及び奨励賞受賞者は次のように決定した旨報告があった。

第62回小泉賞 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 由井克之教授

第24回奨励賞 長崎大学熱帯医学研究所 麻田正仁博士

(3)第84回大会開催状況

小林大会長より口頭にて、参加人数等について説明があった。また、プログラム編成の労についてプログラム委員会委員に対する謝意があった。

(4)第85回大会準備状況

堀井洋一郎(宮崎大)次期大会長より、第85回大会は平成28年3月19日と20日の両日にわたり、宮崎市内で開催することが報告され、多くの会員に参加してほしい旨の要請があった。

(5)吉田幸雄・有薗直樹著『図説人体寄生虫学』(南山堂)の著作権譲渡について

この件については、昨年の持ち回り理事会においてすでに承認を受けており、今後すみやかに著作権者、南山堂、日本寄生虫学会の三者間で契約書の締結を行うことが報告された。

 

3.財務関係

(1)支部会開催補助金申請については、本部からの支弁の根拠となる会則の改正を、本理事会で行うことが理事長より報告された。また、これに関連して、各支部会において、必要な会則の改訂を行うよう依頼があった。

(2)寄生虫関連研究集会への補助金支弁について、事務局には4研究集会から開催補助金申請が届いていることが報告された。この内、寄生虫感染免疫研究会についてはすでに開催が終了しているが、例年どおり申請を受け付けることが確認された。今後は、開催前の申請ができるよう、事務局で配慮することとした。

 

4.PI編集刊行状況

資料を基に名和編集長からPI誌の編集刊行状況が報告された。堀井理事らの責任編集による「田邊和裄先生の追悼号」が刊行され、さらにspecial issuesを担当する北理事の下、7本の特集号が企画されている。優れたreview articlesが掲載された特集号の刊行は、impact factorを押し上げる近道なので、会員の一層の協力をお願いしたい旨の発言があった。

 

5.各種委員会報告

国際交流委員会

五十嵐担当理事(欠席)より書面にて、世界寄生虫学者連盟から、今後定期的にNew Letterの発行があること、また、ICOPA XIVが2018年9月9日〜13日に韓国Daeguで開催されることが報告された。平山理事からは日米医学協力研究会寄生虫疾患専門部会の現状について説明があり、丸山理事からは日韓寄生虫セミナーについて準備状況が報告され、開催にあたっては学会へ開催補助金の申請を行いたい旨の発言があった。松本理事からは、日独原虫病協会が主催する「日独原虫病シンポジウム」を2016年に松本理事を会長として東京で開催予定(東日本支部大会との合同大会としての開催を計画中)であることが報告された。また、橋本イニシアチブの現状について狩野国際交流委員(次期理事)から説明があった。

教育委員会

福本担当理事から、昨年実施したい医学教育に関するアンケート調査について説明があり、アンケート調査を元にした報告書を作成し公表していく予定であることが報告された。

情報処理広報委員会

平山担当理事から、学会の補助を受けて現在作成中の新しいHPについて説明があり、サーバの設定等の移行作業が完了次第公開したい旨の報告があった。また、同委員会の構成メンバーの一部交替、現在熱研に設置しているサーバの管理について将来展望を踏まえ対策を考えてほしい旨の発言があった。

用語委員会

板垣担当理事から、新和名表に対する会員からの意見を公募している旨の発言があった。これに対して太田理事長より、出来だけ早く公開できるよう作業を進めてほしい旨の要望があった。

プログラム委員会

坪井担当理事より、今回の学会から新演題領域による演題募集を行い、それぞれの演題領域ごとの演題数に偏りはほとんどみられず、まずまずの結果であったことが報告された。筆頭演者と口演者が異なる演題の登録について、今回が初めての試みであったので、登録に戸惑いがみられた。また、ひとりで2演題を登録した会員のいることに登録締め切り後に気がついた。今後の対応についてはプログラム委員会において検討することとした。COIの開示については直前の依頼になり、戸惑った会員がいた。COI開示の有無については本理事会で種々議論があったが、次回からは「COIあり」については具体的に明示するよう太田理事長から要請があり、これを了承するとともに、開示情報を利益相反委員会に送付し、同委員会において審議することを承認した。

 

6.その他

(1)新理事会への引き継ぎ事項について、新体制への円滑な移行を行いたいので、理事会後に開催される機関誌運営委員会での委員の選出、次期編集長の選出、庶務委員の推薦、学会抄録集を国会図書館へ事務局を通して送付する件など、直近の事項について、太田理事長から依頼があった。

(2)他機関からの集会後援の依頼について

GHIT FundセミナーおよびICAC KOBE2015についての後援依頼が太田理事長宛に届いている。GHIT FUNDセミナーについては、招待状を理事に送付したいとの依頼を受けているので協力方をお願いしたい旨の発言が理事長よりあった。

松岡理事より、来年3月8日東京で開催される「佐々学生誕百周年記念」事業について、本学会を共催団体として開催したいとの依頼があった。また、事業のひとつとして企画されているシンポジウムに寄生虫学会理事長がシンポジストとして参加するよう新理事会への引き継ぎ事項とすることが了承された。

 

【審議事項】

1.前回理事会議事録の確認を行い、承認された。

 

2.会務関係

理事長及び各種委員会担当理事の選出、および第86回大会大会長の選出は現理事の退出後に新理事会において実施してほしい旨、理事長から要請があり、了承された。

(1)新名誉会員、終身会員、評議員の推薦

資料を基に、太田理事長より説明があった。各被推薦会員の推薦票、略歴等は席上回覧された。審議の結果、提案どおり、以下の者を名誉会員、終身会員、評議員として推薦し、総会に諮ることとなった。

名誉会員

大友弘士元評議員、林 正高評議員

終身会員

宇賀昭二評議員、七戸和博評議員、下田健治評議員

評議員

山本雅裕会員、高島英造会員、岸本英博会員、岩田 敏会員

(2)会則等の改訂

ア.日本寄生虫学会会則第7条の改訂

第3項の次に、『4.支部大会の開催に要する費用の一部は、学会がこれを支弁する。支弁の額は理事会の議を経て、評議員会で承認のうえ、総会で議決するものとする。』を加える。

イ.理事選挙実施規程第9条の改訂

第6項の次に、『7.当選人が、その就任前において事故等により理事の職務を遂行できないと認められるときは、その当選人の選挙区における次点の被選挙人をあらたな当選人とし、総会で承認を受けるものとする。』を加える。

ウ.小泉賞・奨励賞審査規定の改訂

規程第3項の推薦資格に『終身会員』を追加する。

エ.各種委員会設置規程第2条の改訂

「(10)倫理委員会」の次に、『(11)学会出版物等の編集に関する委員会(仮称)』を加える。なお、同委員会の委員長には北潔理事を充て、委員は委員長の指名により理事会が任命するものとすることで合意した。また、同委員会の細則については新理事会において作成することとした。

オ.利益相反委員会細則第2条の改訂

(1)及び(6)、(7)の文言を修正することで合意した。

カ.倫理委員会細則第2条の改訂

(1)倫理規定違反を犯した会員に対する会員資格審査に関する文言を追加することと、第3条(4)「法律の専門家1名」を削除することが承認された。

 

(3)丸山理事から提案のあった2件の議題(理事等選挙結果の開示、宮崎大学産業動物防疫センターの全国共同利用施設化に対する要望書)について審議し、いずれの提案も承認された。理事選挙結果の開示は、要請があるときに当選者の氏名のみを開示することとした。

 

3.財務関係

(1)平成26年度決算報告

資料に基づき理事長より平成26年度決算報告書の説明があった。2013年度からの新しい契約により、Elsevier社への支払が大幅に削減され、学会会計は劇的に改善した。一方、学会費の納入率は、80%程度で低迷しており、一層の納入率向上に向けて協力をお願いするよう理事長から要請があった。また、学会賞関連費用が当初の予算に比べ増加していることについて、小泉賞記念メダルを新しく10個業者に発注したことによる増加であることの説明があった。また、川合、青才両監事により、本決算書の会計監査を終えたことが報告された。審議の結果、理事会は平成26年度決算報告書を承認し、評議員会、総会に諮ることとした。

(2)平成27年度一般会計及び特別会計予算案

平成27年度の予算施行についてはその大半を新理事会において行われるべきものであるが、学会の会計年度が1月から始まっているため、予算案を作成した旨の説明が理事長よりあったのち、資料に基づき平成27年度予算案の説明が行われた。審議の結果予算案は了承され、評議員会、総会に諮ることが了承された。

(3)『図説人体寄生虫学(南山堂)』著作権譲渡に伴う印税の取扱いについて

これについては、法律違反を指摘されることのないよう取り扱うこととし、南山堂とも協議を続けることで合意した。

 

太田理事長より、2期6年間の理事長就任期間中における現理事の協力のおかげで学会会計の改善を図ることができ、また新しい制度のもとで理事選挙を終えることができたことに感謝する旨の発言があった。その後、現理事は退席し、新理事による理事会が開催された。