「医療機関向けコンサルテーション」へ質問のあった項目のうち,よくある質問とその回答を掲載します。コンサルテーションする前に一度はご覧下さい。
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2017年2月にハイポネックスジャパンよりウスイ式の再発売されました。
回答1:
再発を繰り返すなら、
という点を確認の上、メベンダゾールを使われると良いと思います。
回答2:
投与方法がはっきりしませんが,一般的には、コンバントリンを3回投与を薦めております。しかし、各回の投与間隔は2から3週間の間隔を置くこととしております。
即ち、コンバントリンは成虫に対しては非常に有効であるが、幼虫に対しては効果が期待できないことによります。1回目の投与で成虫は殺せたとしても幼虫は生存していることを推測します。2から3週目に再投与しますと、1回目の頃に幼虫であったものが成虫となっており殺滅出来ます。さらに2-3週目に3度目の投与を行います。これは、それまでの経過をすり抜けるような現象を想定しての投与と考えております。
コンバントリン耐性株の存在も一部懸念されているが,確証はありません。服用は正しくても、本当に治療を失敗しているのならば、他からの再感染を考えるのが適当ではないでしょうか。やはり、家族内再感染を考え、家族の協力で全員の検査を行い、一緒に駆虫剤の服用を薦めるのが良いのではと思います。それでも、問題があるとすると、感染源をもっと克明に調べてみることが必要なのではないでしょうか。
勿論、回答1に書かれておりますように、メベンダゾールを使用するのも方法ではあると思います。しかし、ちなみにこれは保健適応外です。
蟯虫に感染しているからと云ってプール水泳を禁止する必要はありません。蟯虫卵が感染児童のお尻から遊離して、他の児童の口に入る確率は極めて低いと考えられます。
心配するなら、保虫児童は水泳のある日の朝に、良く肛門周囲をシャワーで洗い流しておくだけで十分です。アタマジラミについても同様で、厚生省統計でもアタマジラミの感染の場としてプールは極めて少ないとされています。むしろプール水泳を禁止することによる「いじめ」「差別」などの問題のほうがおおきいのではないかとおもわれます。
日本寄生虫学会ホームページのなかの「寄生虫症薬物治療の手引き」をダウンロードしていただくと,その中に住血吸虫の治療方針が書いてあります。
それに沿っていただくなら,本症例は治療の必要はないということになります。
また虫卵はすでに死滅していると考えてよく,さらに我が国では中間宿主である宮入貝の生息域が極めて限られています(公式には絶滅したと言われている)から,糞便もそのままトイレに流していただいて構いません。
看護にあたる人たち他に感染するということもありません。
回答1
妊娠33週ということで、駆虫薬の胎児に対する毒性はそれほど大きな問題にならないかもしれませんが、 基本的に駆虫薬は妊婦および胎児に対する安全性が確立されておりませんので、現時点で駆虫薬を積極的に使用することは薦められません。駆虫に依る下痢が早産を誘発するリスクも考えなければならないでしょう。妊娠中の駆虫は、寄生虫に対する治療が母子の生命の維持や安全に必須(例えば重症の熱帯熱マラリアの場合など)と判断される場合に限ると思われます。そうでない場合は分娩後の駆虫という判断でよいのではないでしょうか。
分娩後授乳時の駆虫薬使用については、以下を参照してください。
プラジカンテル投与後の授乳に関しては、その血中濃度が9時間後に9.5%(20mg/kg投与時)以下になることから、初乳の重要性を考え24時間後を一つのめどとしましたが、最近、プラジカンテルにはいくつかの変異原物質や発ガン物質との共同作用により変異原性を示唆する報告も出ていますので(疑問視されてはいますが)、添付書に従い投与後当日を含め72時間は母乳は搾乳廃棄にするべきでしょう。なお、妊婦に対する安全性は確立されていませんので禁忌であることを、念のために申し添えます。
回答2
治療に当たっては、当学会ホームページにあります「寄生虫症薬物治療の手引き」をご参照下さい.尚、プラジカンテル単回投与時の量は、5-10 mg/kgが無鉤条虫症のみならず、有鉤条虫症にも推奨されています.
●まずは虫種の同定が重要です。排出された片節、あるいは糞便の検査で寄生種を特定して下さい。
●条虫症は、有鉤条虫症など、僅かな例外を除き、ヒト~ヒト感染しません。原則として、生活上の注意は不要です。 駆虫には、通常、プラジカンテル(商品名ビルトリシド)を使用します。条虫の駆虫(成人の場合)については、ホームページ「学術・教育」の「寄生虫症薬物治療の手引き」をご覧下さい。
先天性トキソプラズマ症では妊婦検診は必要で、早期診断早期治療によって先天性トキソプラズマ症の発症と先天性トキソプラズマ感染を防ぐ化学療法を行う必要があります。
トキソプラズマ原虫の生活史からも理解出来るように、特にトキソプラズマ抗体陰性の妊婦は猫との接触は避けた方がよい(但し、臨床経験例では、殆どの症例の母親は猫との接触を否定しております)。医療経済の観点から先天性トキソプラズマ症の妊婦検診を不要との説もありますが、フェニールケトン尿症や他の先天性感染症より頻度が低いと言える根拠はありません。
以下,重要な点について列挙します。
回答1
治療法は「日本における寄生虫学の研究6」の中で山田稔先生が記載してあります、
メトロニダゾール(2~2.25g/day,分3,3~5 )又はチニダゾール(同量)を、担当医師にお伝えして駆虫の判断はおまかせしております。ただ、下痢などの症状がある患者に対しては症状の改善効果があるようですが、無症状者に対して虫体を消失させるまでの効果はほとんど無いように思われます。
回答2
無症状のことが殆どですが、これが見つかって下痢を起こしている症例につき、メトロニダゾールを使ったところ、プラセボ群に比べて下痢の改善が有意であったことから、下痢を起こすことはありうるとの結論でした(下記)。ただし、プラセボでも下痢が改善し、原虫が検出されなくなった例もあります。
問題は、今回のような無症状の症例につき、そのために将来下痢を発症することがあるかどうかですが、この判断材料となるデータは知りません。
●アメーバ肝膿瘍とわかっている場合には、ruptureの危険性がないならば強いてドレナージを行う必要はありません。メトロニダゾールの経口投与のみで改善します。通常10ー14日の投与を行うと、薬剤中止後数カ月で徐々に縮小していきます。 私はruptureの可能性が強ければドレナージを行いますが、通常のアメーバ肝膿瘍ならば行いません。
●ドレナージを行ったならば、必ず細菌培養検査を行ってください。この場合、メトロニダゾールの投与を行った後ですが、通常の菌以外に嫌気性菌の検索も同時にオーダーしてください。また、膿汁から赤痢アメーバのDNAの検出を試みることをお勧めします。なお、アメーバ肝膿瘍の膿汁は教科書ではアンチョビソース様と書いてありますが、必ずしもそうとは限りません。
●大部屋への移動は可能です。共同トイレの使用も問題はありません。 通常の生活では赤痢アメーバは他人へ感染しません。まして、内視鏡で改善傾向にあり、生検で赤痢アメーバが検出されず、フラジール投与中であればなおさらです。 私の外来では、最初から入院せずに通常の生活を送っているアメーバ赤痢の通院患者さんもいらっしゃいます。
●アメーバ赤痢であっても特別な内視鏡の消毒は不要です。当院では他の感染症と同様にサイデックスを使用しております。 HIV、TPHA、HBはどうだったのでしょう。アメーバ赤痢患者では陽性の割合が高いです。
●5類感染症の全数報告を必要とする疾患ですので、保健所への届け出は必要です。