2021年度 春期理事会議事録

日本寄生虫学会 2021 度春期理事会 議事録
日時 2021 年4 月15 日 13 時20 分~17 時
場所:奈良春日野国際フォーラム~I・RA・KA~本館会議室1 ならびにZoom によるリモート参加
出席者 河津信一郎、野崎智義、平山謙二、由井克之、吉川正英(以上、現理事で新理事とならない者、五十音順)
岩永 史朗、金子修、川合覚、玄学南、辻尚利、永宗喜三郎、西川義文、濱野真二郎、久枝一、 前川洋一、丸山治彦、美田敏宏、吉田裕樹(以上、新理事、現理事からの継続者を含む、五十音順)
欠席者:狩野繁之
オブザーバー:名和行文(機関誌編集⾧)、渡邊洋一(庶務委員)
会議に先立ち、野崎現理事⾧より、本理事会は現・新理事合同理事会として行われ、前半、新理事はオブザーバーとして参加し、その後、新理事のみの審議を行うことが説明された。
報告事項
1. 本年度大会の状況
吉川大会⾧より、本大会は第32 回日本臨床寄生虫学会大会との合同大会として、コロナウイルス感染症対策を行いながら、会場とリモート参加のハイブリッド形式で実施していることが説明された。予定されている参加者は約300 人であった。
2. 会員動向 (事務局)
(1)会員数
事務局より、全体の会員数および学生会員と一般正会員の大幅な減少が報告された。これは、連絡先不明となっていた会員の整理を行った結果であると説明された。
(2)物故会員
以下の会員の逝去が報告された。猪飼剛・元一般正会員(2018 年1 月24 日)、宮山幸彦・元一般正会員(2019 年7 月27 日)
(3)年会費納入状況
事務局より、納入率が2020 年度末会員数に基づく金額ベースで106%、同会員の72%が会費を納入していたと報告された(滞納分含む)。
3. 2022 年度大会の状況
河津信一郎・第91 回大会大会⾧より、2022 年の大会を5 月28 日~29 日に帯広市とかちプラザにて実施予定であることが説明された。現時点ではオンラインと現地のハイブリッド形式を想定している。予定している企画はベストプレゼンテーション、特別講演、シンポジウム2 種(大会企画と公募)、口頭発表、ポスター発表である。
4. 2020 年実施の理事等選挙について
河津・選挙管理委員会委員⾧より、2020 年に実施された学会理事などの選挙の結果が報告された。8 月25 日公示、12 月11 日投票締め切り、12 月15 日に東京大学にて久枝一、渡邊洋一選挙管理委員により開票作業が行われ、その後河津委員⾧、由井克之委員がオンライン会議により結果を確認した。有権者数484 人、投票率28.7%だった。理事13 人、プログラム委員8 人、教育委員12 人、小泉賞審査委員18 人が選出された。選挙実施の反省点として、公示の直前、教育委員の定年制が教育委員会細則の変更により導入されたが、周知が不足していたためか、教育委員に関する無効票が見られた点が挙げられた。
5. 小泉賞、奨励賞審査結果報告
野崎・小泉賞審査委員会委員⾧より、まず、昨年度の第67 回小泉賞に大阪大学・山本雅裕博士が、第29 回奨励賞に東北大学・伴戸寛徳博士が選出されたが、昨年度の第89 回大会が誌上開催になったことに伴い授賞式は中止となり、その結果は学会メーリングリストを通じて周知された後、賞状などは直接本人に送られたことが説明された。本年度の第68回小泉賞には国立感染症研究所・久枝一博士が、第30 回奨励賞には国立感染症研究所・荒木球沙博士と愛媛大学・森田将之博士が選ばれたことが報告された。
6. Parasitology International 編集・刊行状況
名和編集⾧より、Parasitology International 誌の前身「寄生虫学雑誌」のオンラインアーカイブ化が、情報処理広報委員会により完了したことが報告された。一方、コロナ禍の影響のためか、Parasitology International 誌への投稿が増加しているが、論文審査依頼が断られるケースが多いため、論文審査が滞っていることが報告された。また、Elsevier の出版担当者が本年2 月にDale Seaton 博士より、Lisa Lin 氏に交代したこと、インパクトファクターが2 未満であることが報告された。また、野崎理事⾧より、特集号数巻が準備中であること、Elsevier との出版契約の期限が2022 年末で、変更には2021 年末までに文書にて申し入れが必要なことなどが説明された。
7. 各種委員会報告
(1)教育委員会
川合理事より、教育用標本整備推進事業について、2020 年度は桐木雅史博士(獨協医科大学)が3 件、林慶博士(岡山理科大学)、熊谷貴博士(東京医科歯科大学)、巌城隆博士(目黒寄生虫館)より各1 件が、採択された。このうち桐野博士分1 件と林博士分が2021 年度中に執行、補助金が支払われたことが報告された。執行が遅れている2020 年度分の支援の一部を本年度に繰り越して行うこと、同事業により作成された標本の需要が高いものの、本年4 月に、任期を迎えた委員が交代することから、事業はこの時点で一度中止とし、継続については新しい委員を加えた委員会で改めて検討することになったことが報告された。
(2)用語委員会
野崎理事⾧より、委員会が作成し、案として意見を募っていた新寄生虫和名表の正規版が学会ホームページに掲載されたことが報告された。
(3)情報処理広報委員会
由井理事より、Parasitology International 誌の前身「寄生虫学雑誌」掲載論文のオンラインアーカイブ化が完了したことが報告された。
(4)「図説人体寄生虫学」編集委員会
吉川正英理事より、初めて寄生虫学会の編集委員会が改定作業に関わった第10 版が、3月に出版されたことが報告され、利用が呼びかけられた。5 年後の改定に向けて、名称の確認、衛生動物領域の情報更新が検討課題とされた。
(5)学術委員会
岩永担当理事より、以下の報告があった。遺伝子組換え実験関係の省令の一部改正に関して文部科学省よりパブリックコメント募集があり、げっ歯類に感染するPlasmodium 属原虫の扱いに関して学術委員会からコメントを送った。結果として上記原虫の研究を進める上で従来通り大臣確認は不要の形で規則が定められた。また、日本医学会若手リトリートの昨年度の発表者を学術委員会が推薦していたが、本年度開催に延期となった。このため、昨年度推薦されたメンバーがそのまま今年度の発表予定者とする。
審議事項
1. 財務関係
(1)2020 年度決算と会計監査報告
事務局より、2020 年度の収支決算について説明があった。より詳細な資料とともに、中野由美子、平井誠両会計監事の監査を2021 年3 月30 日に受けたことが報告された。収入の部で、第89 回寄生虫学会大会への補助金の返金額が補助金の額を超えていた点について、余剰分は「寄付」と記載すべきではないかとの指摘があり、今後同様の事態が起きた場合にはその旨対処することとし、今回はこのままの記載で理事会に承認された。
(2)2021 年度予算案(資料5)
事務局より、2021 年度の予算案が示され、理事会に承認された。
2. 名誉会員、終身会員、評議員の推薦について事務局より、名誉会員として渡邊直熙評議員(推薦人:野崎智義理事)が、終身会員(推薦状の日付順)として坪井敬文評議員(推薦人:高島英造評議員)、吾妻健評議員(推薦人:千種雄一評議員)、松岡裕之評議員(推薦人:加藤大智評議員)が、評議員として(推薦状の日付順)、徳舛富由樹会員(推薦人:野崎智義評議員)、早川枝李会員(推薦人:野崎智義評議員)、清水少一会員(推薦人:⾧田良雄評議員)、見市文香会員(推薦人:吉田裕樹評議員、濱野真二郎評議員)、⾧安英治会員(推薦人:丸山治彦評議員、吉田彩子評議員)、水上修作会員(推薦人:平山謙二評議員)下川周子会員(推薦人:久枝一評議員)の推薦があったことが報告された。これらの推薦は理事会により承認された。
この時点で、本年度総会までの任期の理事が退席し、以後の審議は、新理事のみで行われた。
新理事による審議事項
1. 議⾧の選出
金子理事が議⾧に選出された。
2. 理事⾧及び各種委員会担当理事の選出
互選により、丸山理事が理事⾧として評議員会・総会に推薦されることになった。また、互選の結果、各種委員会の担当理事は以下のように決められた。
プログラム委員会:美田理事
機関誌運営委員会:丸山理事⾧ ※委員会細則による役職指定 担当理事補佐:久枝理事
学術委員会:岩永理事
用語委員会:吉田理事
教育委員会:辻理事
国際交流委員会:濱野理事
情報処理広報委員会:金子理事
倫理委員会・利益相反委員会:永宗理事
「図説人体寄生虫学」編集委員会:丸山理事⾧
3. 会計監事の推薦について
中野会計監事の任期終了のため、後任の会計監事として、宮崎大学農学部吉田彩子評議員が推薦され、理事会として了承した。
4. 日本医学会評議員、日本医学会連絡委員の選出
互選により、日本医学会評議員には丸山理事⾧が、日本医学会連絡委員には久枝理事が選ばれた。