2019年度 春期理事会議事録

日本寄生虫学会2019 年度春期理事会議事録
日時
2019 年3 月14 日
13 時~15 時30 分
場所
長崎大学坂本キャンパス内
熱帯医学グローバルヘルス総合研究棟
中セミナー室1(405)
出席者:岩永史朗、金子 修、狩野繁之、川合 覚、河津信一郎、野崎智義、濱野真二郎、
久枝 一、平山謙二、美田敏宏、由井克之、吉川正英(五十音順)
オブザーバー:名和行文(機関誌編集長)、渡邊洋一(庶務委員)
欠席者:玄 学南
報告事項
1.会員動向
事務局より、会員動向について報告があった。ただし、翌3 月15 日から開かれる大会で
発表される方のうち、入会未登録、会費未納入である発表者が少なからずいることが報告
された。大会事務局と相談の上、情報提供を受け、学会事務局が入会手続きを促し、会費
については、大会に関する負担を考慮し、過不足分を調整することになった。また、長期
間会費を滞納している(あるいは連絡のとれない)正会員と評議員、学生会員が相当数に
なることが報告された。これらについては、近日中に事務局より該当会員のリストを公開
し、会員より情報提供あるいは該当者に連絡を促すよう協力を求めることになった。熱帯
医学会では一定年齢以上は自動的に会費が無料となる功労会員の制度があることが紹介さ
れたが、寄生虫学会ではすでに終身会員の制度(他の評議員からの推薦と終身会員費の支
払いが必要)があることから可能であればそちらを利用することになる。
2.前期大会の概況
狩野前大会長より、360 人の参加者があり、そのうち50 人近くが韓国からの参加者であ
ったことが報告された。
3.本年度大会の概況
平山大会長より、参加事前登録者が270 人あり、当日参加登録者を50 人程度見込んでい
ることが報告された。ICD 講習会参加者は200 人程度である。JAGntd のシンポジウムを2
日目に予定している。
4.来年度第89 回大会の準備状況
河津理事より、五十嵐郁男帯広畜産大学教授を大会長として、2020 年5 月30 日~31 日、
とかちブラザ(北海道帯広市)で開催予定であること、テーマを「One health 地球規模で
の挑戦One health global challenge」(仮)とすること、シンポジウムを二つ程度、ベスト
プレゼンテーションアワードを実施予定であること、一般口演は口頭発表を原則とするこ
と(ただし、演題数によってはポスター発表も実施、その場合でも短い口頭発表を実施)、
懇親会は会場のガーデンパーティ形式で実施すること、特別企画としてばんえい競馬を実
施することなどが報告された。
5.小泉賞・奨励賞審査経過報告
野崎理事長(審査委員長)より、第66 回小泉賞には長崎大学教授・金子修博士が、第28
回奨励賞に東京大学特任研究員・坂本寛和博士と群馬大学助教・下川周子博士が選ばれた
ことが報告された。審査員と候補者の所属に関する「同じ研究単位」の解釈について議論
があり、今回は候補者と「同じ部局」に所属する審査員は審査から外すことにした経緯が
説明された。今後は、審査ができない審査員には投票用紙を送付すべきではない、と言う
意見があった一方、投票用紙は全員に発送し、あとは審査員の見識にまかせるべきではな
いか、との意見もあった。
6.機関誌Parasitolgy International 編集、刊行状況
名和行文編集長より、Impact Factor(2017)が2 を超えたが、これにはBlastocystis
のシンポジウム特集号(Volume 65, Issue 6, Part B, 2016)の貢献が大きかった旨の説明
があった。Editor-in-chief の一人Karl Hoffmann の後任探し、Editorial Board の見直し、
名和編集長の後任探しが求められた。
7.各種委員会報告
(1)機関誌運営委員会
久枝担当理事補佐より、理事会当日開催された委員会にて、今後のElsevier との契約更
新時に、他の出版社との契約や雑誌名の変更も視野に入れて検討すること、special editor
の後任を野崎委員長とすること、Editor-in-chief の一人Karl Hoffmann の後任探し、Board
member の変更と名和編集長の後任についてはさらに議論を重ね、夏期理事会までの変更
を目指すことなどが報告された。
(2)国際交流委員会
濱野担当理事より、2018 ICOPA Travel Award の選考過程と17 名のAward 受賞者、支
援総額が報告された。
(3)情報処理広報委員会
由井担当理事より、「寄生虫学雑誌」のPDF 化とオンライン公開事業の進行状況と、作
業に必要な費用の見積もりの変更が報告された。
(4)学術委員会
岩永担当理事より、日本医学会連合第1 回Rising Star リトリートの開催について報告が
あった。解剖学会、癌学会と共に幹事学会を務めたこと、若手研究者を活性化することを
目的に約50 人の参加者を迎えて、3 月4 日~5 日に千葉県木更津市で開催されたことが報
告された。
(5)倫理委員会・利益相反委員会
河津担当理事より、日本医学連合会から依頼のあった、「研究発表にあたっての共通倫理
ガイドライン」に対するアンケート回答作成時の理事各位からの協力に対して感謝の意が
述べられた。
(6)「図説人体寄生虫学」編集委員会
吉川担当理事より、2018 年末に第1 回の委員会を開催し、委員間で作業の分担をし、作
業を進めていること、2019 年3 月末に第1 稿、12 月に最終稿を入稿、刊行は2020 年12
月の予定であることが報告された。委員以外にも協力を依頼している。
8.その他
(1)ICD 関連
狩野理事より、2018 年12 月開催のICD 協議会の会議についての報告があった。9360
人のICD がおり、2018 年度は530 人の新規認定者がいたが、寄生虫学会からの新規認定
者はなかった。
審議事項
1.2021 年度大会長の推薦について
野崎理事長より数名の候補者と交渉中であることが報告された。他の候補者ともさらに
交渉を続け、夏期理事会をめどに検討していくことになった。
2.名誉会員、終身会員、評議員の推薦について
2018 年夏期理事会にて名誉会員の推薦を承認したKarl Hoffmann について、名誉会員
選考内規の原則には必ずしも沿ってはいないものの、本学会への非常に多大な貢献があっ
たことにより、改めて推薦することを確認した。そのほかの下記の候補についても検討さ
れ、推薦することが承認された。
名誉会員
Karl Hoffmann 博士(推薦人:野崎 智義 理事)
青木 孝 博士(元評議員)(推薦人:野崎 智義 理事)
藤崎 幸蔵 評議員(推薦人:河津 信一郎 理事)
終身会員
小林
富美恵
評議員 (推薦人:狩野 繁之 評議員、久枝

評議員)
鳥居
本美
評議員(推薦人:坪井 敬文 評議員)
堀井
俊宏
評議員
(推薦人:山本 雅裕 評議員)
牧 純 評議員
(推薦人:中西
雅之 評議員)
是永
正敬
評議員
(推薦人:濱野
真二郎
評議員)
片倉

評議員
(推薦人:板垣

評議員)
評議員
吉田 彩子 会員 宮崎大学 准教授
(推薦人:丸山 治彦 評議員、野中 成晃 評議員)
新倉 保 会員
杏林大学 講師
(推薦人:小林 富美恵 評議員、北 潔 評議員)
八田 岳士 会員
北里大学 講師
(推薦人:辻
尚利 評議員)
中尾 亮 会員
北海道大学
准教授
(推薦人:片倉 賢 評議員)
福本 晋也
会員 帯広畜産大学 准教授
(推薦人:玄
学南 評議員、河津 信一郎 評議員)
井上 信一
会員 長崎大学
准教授 (推薦人:由井 克之 評議員、小林 富美恵 評議員)
大槻 均 会員 鳥取大学
准教授 (推薦人:福本 宗嗣 評議員)
3.会計幹事の推薦について
任期切れの安田(駒木)加奈子評議員の後任として、中野由美子評議員(国立感染症研
究所)を推薦することになった。
4.機関誌について
special editor の後任を、機関誌運営委員会で推薦された野崎委員長とすることについて
承認された。
5.教育委員会と機関誌運営委員会副委員長の設定について
機関誌運営委員会と教育委員会の委員長がそれぞれ、委員から補佐役を設定したいとの
希望があった。その補佐役に対して「副委員長」の役職名を与え、それぞれの委員会細則
に下記の様な条文を追加してはどうかという提案が理事長よりあり、了承された。
(以下、細則変更案)
機関誌運営委員会細則(変更案では下線部が追加)
平成25 年3 月27 日制定
(中略)
(委員の選任並びに任期)
第2条
運営委員会の委員長は、理事長がこれを兼務する。
2.運営委員会の委員は正会員の中から委員長が指名する。運営委員の定数はこれを定め
ない。
3.運営委員の任期は、運営委員を指名した理事長の任期終了とともに終わる。再任は妨
げないが、連続して6年を超えることは出来ない。
4.やむを得ない理由により運営委員が任期半ばで交代した場合、その任期は前任者の残
任期間とする。
5.委員長は、委員の中から副委員長を指名することができる。
6.副委員長を指名したときは、委員会の承認を得るものとする。
7.副委員長は、委員長の職務を補佐する。
(中略)
(細則の改廃)
第4条
本細則の改廃については、運営委員会において審議し、委員長が理事会に諮り、
理事会の議を経て決定する。
附則
1.この細則は、平成25 年3 月27 日から施行する。
2.平成29 年6 月29 日一部改訂
3.2019 年3 月14 日一部改訂
教育委員会細則
(変更案では下線部が追加)
平成26 年3 月26 日作成
(中略)
(組織)
第3条
委員会は、次に掲げる者をもって組織する。
(1)
本学会理事(教育担当)
(2)
理事選挙実施規程の附則に定めるところにより選出された委員(地方区選出委員4
名、全国区選出委員8名)。
(3)
本学会理事(教育担当)が指名し、理事会で承認された者(2 名以内)
2.委員会に委員長を置き、担当理事がその任に当たる。
3.委員長は適宜委員会を開催する。
4.委員長は、委員の中から副委員長を指名することができる。
5.副委員長を指名したときは、委員会の承認を得るものとする。
6.副委員長は、委員長の職務を補佐する。
(中略)
(細則の改廃)
第5条
本細則の改廃については委員会において審議し、委員長が理事会に諮り、理事会
の議を経て決定する。
附則
1.この細則は、平成26 年3 月27 日から施行する。
2.平成26 年3 月31 日一部修正
3.平成29 年6 月29 日一部改訂
4.2019 年3 月14 日一部改訂
(細則変更案ここまで)
なお、教育委員会では岩永委員を、機関誌運営員会では久枝担当理事補佐を、それぞれ
の委員会の副委員長とすることが了承された。
6.教育用寄生虫標本整備推進事業について
川合教育委員会担当理事より、教育用寄生虫標本整備推進事業を進めるための規定案(教
育委員会で承認済み)が示され、了承された。なお、標本提供者の必要経費は学会事務局
から直接支払われることになった。
7.財務関係
(1)2018 年度会計報告
野崎理事長より2018 年度の会計報告があった。会費収入が例年より多いが、これは2017
年度の会費収入を2017 年度中に一般会計口座の方に移せなかったため、2017 年度分と
2018 年度分を合わせたものであることが説明された。学会誌出版の費用がElsevier からの
Royalty 分がそのまま出版費用の一部として、特別会計の一つから支出されていること、
2018 ICOPA Travel Award の支払いが特別会計の一つ(トラベルグラント用)から支出さ
れていることなどが説明された。また、会計幹事の安田(駒木)加奈子評議員と平井誠評
議員が会計監査を2019 年2 月22 日に行い、関係書類を合わせて確認し、報告の通り、財
務が執行されていたことを確認した旨が説明された。同上内容が2018 年度決算として承認
された。
(2)野崎理事長より2019 年度の予算案についての説明がなされた。収入の中の2019 年
度の会費の金額は2018 年度の実績に基づくこと、2018 年度の会費納入率は約60%であり、
例年70%以上なのに比べて低いが、その理由として、2018 年度は事務局の移転に伴い、会
費納入のお知らせが例年(1 月)に比べて遅い7 月になったため、会費の支払いの期間が短
くなった(通常11 カ月なのに対して約5 カ月)とともに、大会発表者は会費の納入が求め
られるのに対して、大会開催(3 月)の後のお知らせになったことなどが考えられるという
説明があった。また、学会事務を円滑にすすめるため、2015 年以降休止されていた、学会
事務専門の事務員を雇用するための人件費が支出に計上された。繰越金の減少が見られる
が、これは会費納入率が例年並みに戻り、本年度で終了予定の寄生虫学雑誌オンライン公
開にかかる事業分の支出のない来年度以降は、繰越金が維持できる見込みであることが説
明された。また、各支部会大会と研究集会からの補助金の申請は例年通り計7 件であり、
それぞれ2018 年度実績に倣った金額で、2019 年度補助金の支出を予算に計上した。審議
の結果、予算案は承認された。なお、夏期理事会にて過去数年の収支の推移と、2018 年度
未納分の納入状況を検討することになった。