平成30年度 春期理事会議事録

平成30年度日本寄生虫学会春期新旧合同理事会議事録

 

開催日時: 平成30年3月16日(金)13:00〜15:30
開催場所: 国立国際医療センター研究所 中会議室

出席者:板垣 匡、岩永史朗、片倉 賢、金子 修、狩野繁之、川合 覚、河津信一郎、玄 学南、小林富美惠、千種雄一、坪井敬文、鳥居本美、名和行文(機関誌編集長)、野崎智義、濱野真二郎、久枝 一、平山謙二、堀井俊宏、美田敏宏、松本芳嗣、丸山治彦、由井克之、吉川正英(五十音順)

オブザーバ:有末伸子(庶務委員)

欠席者: 無

 

堀井理事長より、会議開始前に今回の理事会は新しく選出された理事も参加する新旧合同理事会として開催するが、新理事は現理事の退任まではオブザーバとしての参加となる旨の説明があり、その後理事会が開催された。

1.会員動向
平成30年3月8日現在の会員動向について堀井理事長より説明があった。

 

2.会務関係
(1)日本寄生虫学会理事等選挙結果報告

松本選挙管理委員会委員長より、理事、小泉賞・奨励賞審査委員、教育委員、プログラム委員の選挙結果が平成29年11月29日に書面で報告した通りである旨報告された。

(2)小泉賞・奨励賞審査経過報告(堀井 俊宏 理事長)

堀井審査委員長より、審査経過について説明があり、本年度の小泉賞及び奨励賞受賞者は次のように決定した旨報告があった。

第65回小泉賞 獨協医科大学 川合 覚 教授

第27回奨励賞 該当者無し

(3)第87回大会概況(狩野 繁之 大会長)

狩野大会長より、前日までに303人の参加申し込みがあったこと、16日午後に開催される第19回日韓寄生虫シンポジウム参加者から30名が本大会へも参加する旨説明があった。

(4)第88回大会準備状況(平山 謙二 次期大会長)

平山次期大会長より、第88回大会は長崎大学坂本キャンパスにおいて、平成31年3月15日(金)~16日(土)の日程で開催することが報告された。一般演題はすべて口頭発表とすること、特別セッションとして、ゲノム、イメージング、特別講演として免疫関連の講演を企画することなどが説明され、多くの会員に参加してほしい旨の要請があった。

3.財務関係

(1)会費の納入状況

平成29年度の会費納入状況について、堀井理事長より説明があった。納入率は77%で例年と大差ないことが説明された。

(2)支部大会・研究集会開催補助金申請状況

平成30年度に学会からの支弁を希望するのは4支部大会と、3研究集会(寄生虫感染免疫研究会、分子寄生虫学ワークショップ及び分子寄生虫・マラリア研究フォーラム、蠕虫研究会)の7件であることが堀井理事長より報告された。

 

4.PI編集・刊行状況

「PARINT publisher’s report March 2018」を基に名和編集長からPI誌の編集刊行状況が報告された。インパクトファクターがここ数年微減を続けているが、2018年度は微増の見込みであること、次回の契約更新を有利に進めるために、インパクトファクターを2.0以上にしたいこと、そのためには特集号や優れたレビュー論文を出版することが必要であることなどが報告された。また、Karl Hoffmanが2019年度限りでエディターを辞することを決めていること、名和編集長も交代の希望があるため、後任を探してほしい旨要請があった。更に、永年エディターとして貢献してくれたKarl Hoffmanに名誉会員の資格を与えることを検討してほしい旨要請があった。

 

5.各種委員会報告

教育委員会: 千種理事より、今年度から新たに開始される「寄生虫標本作製支援事業」について説明があった。今年度はこの事業に30万円が計上される予定であり、一件5万円、計6件の支援を予定して募ったところ19件の申し出があり、支援先の選定を進めている旨報告があった。

国際交流委員会: 狩野理事より今夏14th ICOPAの開催案内があり、積極的な参加が呼びかけられた。また、日米医学として先月長崎でジョイントシンポジウムが開催されたことが報告された。また、今後開催される予定の寄生虫関連の国際シンポジウムの紹介があった。

情報処理広報委員会: 由井理事より、「寄生虫学雑誌」のホームページ上での公開に向けた準備状況について説明があった。雑誌全巻のPDF化まで作業が完了していること、今後はサーバーとなるマシンを用意してデータベースを構築する作業、それを長崎大学のコンピュータにリンクさせてHPで公開する作業が必要であり、作業代、サーバーマシン及びソフトウェアの購入などに120万円程が見積もりされていることが報告された。名和編集長より100万円の寄付がありこの作業に充てられること、寄附に対するお礼が述べられた。

学術委員会: 河津理事より、臨床検査法の施行に伴い会員に必要な情報を提供する旨報告があった。

用語委員会: 板垣理事より、「寄生虫新和名集」を作成したので、学会ホームページで公開する旨報告があった。また、日本医学会分科会用語委員会の「遺伝学用語改訂に関するワーキンググループ」より、遺伝用語である優性、劣性、顕性の用語の使い方について関連学会からの意見を求めている旨報告があった。

 

6.その他報告事項

狩野理事(ICD制度協議会加盟学会加盟学会代表)より第87回及び第88回学会大会において、ICD講習会の開催が予定されていることが報告された。また、補助金も出るので、今後も大会開催時に講習会を開催することを検討して欲しいことが要請された。また、近年は寄生虫学会員からICD新規登録の申請がないことが報告された。

 

【審議事項】

1.前回理事会議事録について承認された。

 

2.会務関係

(1)第89回大会大会長の選出

帯広畜産大学 五十嵐郁男 教授 を次期大会長として推薦することとし、評議員会、総会に諮ることとなった。

※追記: 第89回大会は帯広畜産大学で引き受けるが、大会長については自身が退職後の開催であることから、大学内の関係者と協議したい旨、評議会・総会で発言があった。

(2)新名誉会員、終身会員、評議員の推薦

資料を基に、堀井理事長より説明があった。各被推薦会員の推薦票、略歴等は席上回覧された。審議の結果、提案どおり、以下の者を名誉会員、終身会員、評議員として推薦することが承認され、総会に諮ることとなった。

名誉会員

青木 克己 評議員(推薦人:狩野 繁之 理事、平山謙二 新理事)

竹内  勤 評議員(推薦人:狩野 繁之 理事、平山謙二 新理事)

終身会員

伊藤  誠 評議員 (推薦人:濱野 真二郎 評議員)

小川 和夫 評議員 (推薦人:倉持 利明 評議員)

評議員

彦坂 健児 会員 千葉大学 医学部 特任講師 (推薦人:北 潔 評議員、野呂瀬 一美 評議員)

松林  誠 会員 大阪府立大学大学院 医学研究科 准教授 (推薦人:辻 尚利 評議員)

三木田 馨 会員 慶応義塾大学 医学部 専任講師(推薦人:岩田 敏 評議員)

(3)会則等の改定

編集庶務委員が廃止されたことに伴い会則の該当箇所を改訂することが承認され、評議員会、総会に諮ることとなった。

  •  日本寄生虫学会会則第8条の改訂

「編集庶務委員  1名」削除
● 日本寄生虫学会会則第8条の改訂

(改訂前)

第 16 条 庶務委員は理事長の推薦により、また編集庶務委員は機関誌編集長の推薦により理事会でこれを定める。
2.庶務委員は理事長を補佐し、学会の庶務・会計・総会などの事務を司る。
3.編集庶務委員は編集長を補佐し、機関誌編集に係る事務を司る。
4.それぞれ任期は3年とし、重任は妨げない。

(改訂後)

第 16 条 庶務委員は理事長の推薦により理事会でこれを定める。
2.庶務委員は理事長を補佐し、学会の庶務・会計・総会などの事務を司る。

3.任期は3年とし、重任は妨げない。

 

(4)「利益相反マネージメントに関する申し合わせ」の改訂について

鳥居担当理事より提案された「利益相反マネージメントに関する申合わせ」の改訂が承認された。

改訂箇所は以下の通り

【改訂前】(学会の役員のCOI事項の申告

第2 本学会の役員のうちの理事長,副理事長,理事,大会長,機関誌編集長,会計監事,庶務委員,編集庶務委員は,就任した時点で所定の書式にしたがい自己申告を行なうものとする.また,就任後,新たに利益相反状態が発生した場合には修正申告を行うものとする.

【改訂後】(学会の役員のCOI事項の申告)

第2 本学会の役員のうちの理事長,副理事長,理事,大会長,機関誌編集長,会計監事,庶務委員,編集庶務委員は,就任した時点および毎年1回,所定の書式にしたがい自己申告を行なうものとする.また,新たに利益相反状態が発生した場合には修正申告を行うものとする.

 

【改訂前】⑥ 企業・組織や団体が提供する研究費については,一つの企業・団体から研究(受託研究費,共同研究費,など)に対して支払われた総額が年間100万円以上とする.但し,競争的資金は除く。

⑦ 企業・組織や団体が提供する奨学(奨励)寄附金については,1 つの企業・組織や団体から,申告者個人または申告者が所属する部局(講座・分野)あるいは研究室の代表者に支払われた総額が年間100万円以上の場合とする.

【改訂後】(学会の役員のCOI事項の申告)

⑥ 企業・組織や団体が契約に基づいて提供する研究費については,一つの企業・団体から医学系研究(受託研究,共同研究,治験など)に対して,申告者が実質的に使途を決定し得る研究契約金で実際に割り当てられた年間100万円以上とする.

⑦ 企業・組織や団体が提供する奨学(奨励)寄附金については,1 つの企業・組織や団体から,申告者個人または申告者が所属する部局(講座・分野)あるいは研究室の代表者に対して,申告者が実質的に使途を決定し得る研究契約金で実際に割り当てられた年間100万円以上の場合とする.

⑧ 企業・組織や団体が提供する寄附講座に申告者らが所属している場合とする.

 

また、申し合わせの改訂に伴い、申請書フォームを改訂することも承認された。

 

3.財務関係

(1)平成29年度決算報告

平成29年度決算について資料に基づき庶務委員より説明があった。会員から納入された会費を郵便貯金口座から一般会計口座へ送金したのが平成30年になってからだったため、平成29年度決算に平成29年度の会費徴収分が計上されていないこと、その分は来年度の予算に組み込まれることが説明された。また、吉川尚男、駒木加奈子両監事により、本決算書の会計監査を終えたことが報告された。審議の結果、理事会は平成29年度決算報告書を承認し、評議員会、総会に諮ることとした。

(2)平成30年度一般会計及び特別会計予算案

平成30年度予算案について資料に基づき庶務委員より説明が行われた。ほぼ例年通りの支出を予定しているが、寄生虫学雑誌をオンラインで公開するための経費、本年度から始まる寄生虫標本作成支援事業にも予算が計上された。支部大会、研究集会への補助金として昨年と同じ130万円を計上し、配分方法も昨年と同様とすることとなった。さらに、ICOPAへの会員派遣に係る経費として200万円を特別口座から予算として計上することとした。平成30年度は審議の結果予算案は了承され、評議員会、総会に諮ることが了承された。

(3)平成30年度支部大会・研究集会開催補助金の配分について

支部大会、研究集会への補助金は昨年と同じく総額130万円となった。配分方法は昨年と同様

《ベース5万円+(一般演題数+特別講演の演題数×2)×単価5000円》とすることが決まった。

4.その他

(1)14th ICOPAトラベルグラント

8月に14ThICOPAが韓国の大邱で開催されることに伴い、学会から200万円を派遣費用として支出することが理事会で承認された。名称はトラベルアワードとし、応募・配分については国際交流委員会に一任することが承認された。

 

※ここで旧理事が退出し、新理事による理事会が継続された。

 

  • 理事長

新たな理事長として平山理事(推薦者:狩野理事)。野崎理事(推薦者:美田理事)が推薦され、理事による質疑応答が行われた後、無記名投票が行われ、野崎理事が過半数の票を獲得して新理事長に選出された。

 

  • 各種委員会担当理事

下記のように決定された。

プログラム委員会:      美田敏宏 理事

機関誌運営委員会:      野崎智義 理事長

学術委員会:     岩永史朗 理事

用語委員会:     野崎智義 理事長

教育委員会:     川合 覚 理事

国際交流委員会: 濱野真二郎 理事

情報処理広報委員会:    由井 克之 理事

倫理委員会・利益相反委員会:    河津信一郎 理事

学会出版物等の編集に関する委員会:      野崎智義 理事長

 

  • 日本医学会評議員・連絡員

下記のように決定された

医学会評議員: 野崎理事長

連絡委員: 久枝理事

 

  • 会計監事の選出

A氏(所属削除)を理事会として推薦し評議員会、総会に諮ることとした。

※追記、会計監事は評議員から選ばれる必要があり、A氏には資格が無いことが判明した。平井 誠 評議員(順天堂大学)を会計監事とする案が模索されたが、理事会での承認が間に合わなかったため、理事会の承認は後に理事メール審議で行うことが評議会・総会で説明され、承認が得られた。

 

  • その他

法人化のためのワーキンググループの立ち上げについては夏の理事会への申し送り事項とした。

 

 

以上をもって、定刻を過ぎた15時45分に閉会となった。