平成29年度 夏期理事会議事録

平成29年度日本寄生虫学会夏期理事会議事録

開催日時: 平成29年8月25日(金)13:00〜17:00
開催場所: 大阪大学 微生物病研究所 本館6階セミナー室
出席者:片倉 賢、狩野繁之、河津信一郎、小林富美惠、千種雄一、坪井敬文、鳥居本美、名和行文(機関誌編集長)、野崎智義、堀井俊宏、由井克之(五十音順、敬称略)
欠席者: 板垣 匡、松本芳嗣、丸山治彦、
オブザーバ:有末伸子(庶務委員)
理事10名出席。定刻より理事会が開催された。河津理事は14時過ぎから参加。

【報告事項】

1.会員動向

平成29年8月21日現在の会員動向について堀井理事長より説明があった。会員数752名。前回報告時より微増。

2.会務関係
(1)第86回大会報告(片倉 賢 第86回大会大会長)
資料に基づき、大会の会計について説明があった。当日参加者が予想より多かったため、黒字に転じたこと、余剰の143,495円は学会会計に返却したことが報告された。

(2)第87回大会準備状況 (狩野 繁之 第87回大会大会長)
以下のプログラムで準備が進められていることが報告された。
3月16日(金)(大会前日):機関紙運営委員会、新旧合同理事会、各種委員会、各種サテライトミーティングが開催されるのに加え、フォーラムcheju (日韓寄生虫シンポジウム)を開催し、その後に新旧理事と来日する韓国寄生虫学会のメンバーを交えての懇親会を企画している。
3月17日(土)(大会初日):BPA、一般口演、ポスター展示と討論、評議会・総会、奨励賞・小泉賞受賞講演、ICOPA2018のサテライトシンポジウムを予定。懇親会は都庁45階の「Tokyo Cafe202」を仮予約済。
3月18日(日)(大会二日目): 一般口演、ポスター展示と討論、に加え、ランチョンセミナー、B.T. Slingsby氏 (GHIT,CEO) による基調講演、宮田 満 氏(日経BP、特別編集委員)による特別講演、北 潔 氏をオーガナイザーにしたシンポジウム(仮題: Japan’s contribution towards malaria elimination by 2030)、第276回ICD講習会
「薬剤耐性寄生虫症の感染対策」などが企画されている。
演題登録の締め切り日について、プログラム委員へのデリバーが1月下旬までに行えるように、12月中旬から下旬に設定することを確認した。

(3) 理事等選挙実施状況報告(有末 選挙管理委員)
本年度に行われる理事等選挙について、7月31日に選挙公示が。8月1日に選挙人・被選挙人の名簿の公開が行われたこと、現在は公開した名簿に対する異議申し立てを受け付ける期間であることが報告された。また今後のスケジュール、10月23日に投票用紙の発送、11月24日投票締め切り、11月27日開票、3月に理事会で当選人の報告と承認、評議会及び総会での報告と承認が説明された。当選人の公表方法については審議事項参照。

3. 財務関係
(1)会費納入状況 (有末庶務委員)
本年度の会費納入状況について、8月21日までに5,928,300円の会費納入があり、これは年会費総額の70.4%に相当し、この時期の納入率としては例年並みであることが報告された。(※端数が生じるのは海外在住の会員がクレジットカード払いをしたときに5%の手数料が差し引かれるため)

4. PI編集・刊行状況 (名和行文 編集委員長)

PARAINT publisher’s report に基づき説明があった。要点は以下の通り
・マネッジメントエディター(長安 氏)については本年度をもって廃止する。
・レビューエディターが北 潔 氏から太田 伸生 氏に交代した。
・2016年のインパクトファクター(IF)は1.74で微減が続いている。IFを上げるための努力が必要。
・アクセプトまでのスピードアップが必要(レビューワーを探す過程に多くの時間がかかっている)。
・過去の実績から、特集号は引用されることが見込めるため、良い特集号を出版することが必要。現在、7本が企画中。
・名和編集長が年間250本(総数の約半分)のハンドリングを行っている。負担軽減のために、もう一人編集長を増やしたい。エルゼビアに交渉し、拒否されたら、その費用を学会の経費で負担することも今後考慮する。
・引用されていない論文のリストを次回の理事会までに作成する。

5. 各種委員会報告
(1)国際交流委員会 (狩野 繁之 担当理事)
第28回 臨床寄生虫学会(平成29年6月24日、国立国際医療研究センター)が開催されたこと、また、グローバルヘルス合同大会2017が2017年11月24日~26日に開催されることが案内された。また、来年、韓国の大邱で開催予定の14th ICOPAにおいて、2018年8月20日に日本寄生虫学会が企画するパラレルシンポジウムが開催される予定であることが報告された。
2018年2月16日に長崎にて開催予定の日米医学会について、米国側に渡航に必要な費用が不足しており、開催が危ぶまれていることが報告された。

(2)情報処理広報委員会 (由井 克之 担当理事)
寄生虫雑誌をデータベース化し、学会HP上で公開することを検討中。全2万5千頁あり、1万5千頁についてはすでにOCR処理済みのデータが存在している。残り1万頁についてスキャニングとOCR処理が必要(見積もり25-30万円)。その他、データのマネッジメントと保存用にPCとソフトウェアが必要になる。以上のことが報告された。推進すべき事案であり必要な費用は学会会計から拠出すること、今後も進行状況を理事メールで報告し、必要な審議を行い、早期の完成を目指すことを確認した。

(3) 教育委員会 (千種 雄一 担当理事)
寄生虫標本作成支援事業(案)についての説明があった。内容については審議事項参照。

(4) 学術委員会 (河津 信一郎 担当理事)
全国大学等遺伝子研究施設連絡協議会(遺伝子協)から学会員による「遺伝子ドライブ」実施可能性について調査依頼があった場合、河津担当理事に連絡するよう要請があった。
青山大学の飯島教授が行っている「感染症アーカイブズ」(学振委託研究)については北 委員、丸山 委員が窓口となり対応することとなった。
防衛省からの研究予算については各大学、学会等の対応を調査し、学会として情報を共有することとする。
「臨床研究法」および改正「個人情報法」との関連において、臨床材料を取り扱う際に、研究内容の公示とトレーサビリティの確保が、新たに必要になる。要点をまとめた説明文を作成して、メーリングリストとホームページにて、学会員あての注意喚起を行うことが報告された。

6. その他の報告事項
野崎 理事: 7月にシンガポールで開催されたIUMSに参加したが、寄生虫分野から
の参加がほとんどなかった。次回は2020年に韓国での開催が予定されており、学会からの貢献(シンポジウム、ワークショップ等)を検討すべきであることが報告された。
Conbio2018(12月6日~9日、神戸ポートアイランド)において、ワークショップ、シンポジウムそれぞれ一枠について寄生虫学会員による企画が採択されていることが報告された。これについては、会期が近づいたら、メーリングリストで案内を出すよう野崎理事に要請した。

狩野 理事:2019年の学会大会において、ICD講習会を企画する場合、本年12月末までに申請が必要であること、開催が承認されれば、20万円+350円×参加人数の開催補助がある旨の説明があった。

【審議事項】

1.会務関係
前回理事会議事録が承認された。6月にメールで事前回覧しており、追加意見等は出されなかった。

2.その他の審議事項
(1)理事等選挙結果の公表方法について
理事等選挙の当選人については、「3月に理事会で当選人の報告と承認、評議会及び総会での報告と承認」とされているが、実際には、3月の総会前に新旧理事会、新旧委員会が予定されているため、11月27日の開票後に理事メールで当選人についての審議を行い、その後学会メーリングリスト、学会HPにて当選人の公表を行うこととした。この手続きは前回の選挙の際も同様であった。また、各種委員会について、新旧委員の引継ぎは各委員会委員長に一任することとした。

(2) COI自己申告書の改訂について
日本医学会COI管理ガイドラインの改訂に伴い、本学会の「日本寄生虫学会COI自己申告書(役員用)」の改訂が利益相反委員会担当の鳥居理事より提案された。主な変更点は、
・過去三年間について記載
・変更がなくても毎年提出する
であり、その他、金額区分、研究費区分の欄などに若干の変更が加えられている。来年度以降は改訂された書式を用いることが承認された。

(3) 寄生虫標本作成支援事業について
教育委員会から提案された当該件について議論を行った。案の概要は以下の通り。
・平成30年度よりスタート
・標本作製費として一件最大5万円、年間6件、30万円程度を予定)
・採択の可否、支援の規模は教育委員会における審査により決定する
・名古屋議定書のことも考慮し、初年度は研究用培養寄生虫から募集を開始する
・標本の管理・配布は目黒寄生虫に依頼する
・標本については目黒寄生虫館においてパイロットサンプルの検品を予定。

事業を行うことは了承されたが、上記について、募集要項に必要な寄生虫のリストをつけて欲しい、タイのマヒド大学で虫卵等の販売を行っているので、目黒寄生虫館とマヒド大学の間でMTAを締結し教育用として販売できるようなパイプを作ってもらうのはどうか、等の意見が出された。
本件については、引き続き教育員会における検討と理事メール審議により、案の修正を続けていくこととなった。

(4) 平成31年度のネットワーク型共同利用・共同研究拠点の設置に係る学会からの要望書について
神戸大学バイオシグナル総合研究所、愛媛大学プロテオサイエンスセンター、名古屋大学環境医学研究所が共同で認定を目指している「バイオシグナル創薬共同研究拠点(仮称)」の設置要望書を学会から提出して欲しい旨、坪井理事より要請があった。共同研究拠点ができれば、学会員にも有用であるため、了承された。

(5) 「学会出版物等の編集に関する委員会」の立ち上げについて
委員不在のまま放置されている「学会出版物等の編集に関する委員会」について検討が行われた。この委員会は広く教科書として使用されている「図説人体寄生虫学」の改訂を行うために設置されている。今回の理事会において、理事長を担当理事とすること、松本理事、丸山理事を委員として任命することが承認された。また、次回の改訂は2021年を予定しており、実際の作業に入る際に残りの委員を組織して、活動を始めることも合わせて承認された。

(6)日本医学会からのアンケート
日本医学会より、冊子体で配布している分科会名簿の廃止の可否を問うアンケートが配布された。名簿はwebから閲覧可能なため、本件について当学会からは「冊子体の廃止可」として回答することとなった。

以上をもって予定より早い16時に閉会された。