平成21年度 春期理事会議事録

平成21年度日本寄生虫学会春期理事会議事録

平成21年3月26日
順天堂大学本郷キャンパス

出席者(順不同、敬称略):青木 孝大会長、伊藤 亮、片倉 賢、竹内 勤、渡辺直煕、野崎智義、狩野繁之、有薗直樹、中西憲司、木村英作、鳥居本美、名和行文、藤崎幸蔵、宮平 靖(庶務委員)
欠席者(同上):今井壮一、高岡宏行

理事会の開催に先立ち、大鶴正満名誉会員など、逝去された会員に対して黙祷を捧げた。ついで竹内(司会)より新旧合同理事会であり、新理事はオブザーバーとして出席している事、及び現理事会は委任状をも含め定数に達しており、成立している事が報告され、議事に入った。

1. 第78回大会概況報告(青木大会長)

青木大会長より第78回大会の状況について報告がなされた。特別講演は大村 智氏に依頼した。小泉賞、奨励賞の選考経過、結果も併せて報告された。小泉賞受賞者は兵庫医科大学 中西教授 善本准教授の2名。奨励賞は国立国際医療センター 駒木・安田氏、及び日本大学 松本 淳氏の2名であった。

2. 第79回大会準備報告(伊藤次期大会長)

伊藤 亮次期大会長(旭川医大)より、第79回大会の準備状況が報告された。予定開催日は2010年5月20日、21日で、19日をサテライトとすること、旭川市の施設を会場として使用することなどが報告された。ベストプレゼンテーション賞は継続する予定で、プログラム委員会と検討することが報告された。

3. 第80回大会準備報告(渡辺次次期大会長)

渡辺直煕次次期大会長(慈恵医大)より第80回大会の準備状況について説明があった。日程は未定であるが、日本医学会総会にあわせて開催すること、予定期日は平成23年3月29~30日であること、開催場所は慈恵医大を予定していることなどが報告された。

4. 学会新役員選出結果報告

各支部より選出された新役員(理事、教育委員、小泉賞選考委員)について竹内より報告があった。併せてプログラム委員会委員の選出結果についても狩野理事(プログラム委員会担当)より報告された。新理事長は、今回の理事会終了後の新理事会において決定されたい旨、竹内より発言された。各支部の支部長を決定する必要があることも併せて確認のため発言があった。

5. 会務報告

会員数の推移について竹内よりほぼ800名ちょっとで横ばいの状況である事、学生会員が増加傾向にある反面、評議員で大学を定年になったとたんに退会した方が居る。評議員から名誉会員(70歳)になるまでのつなぎとして、功労会員を検討する方が良いのではないかとの発言があり、継続検討事項とした。
会費納入率は評議員84%,正会員78%、学生会員42%で、学生会員の納入率が低いので協力をお願いしたいとの発言が竹内よりあった。納入率は通例3月末までを見るとより正確に動向が分かるが、評議員87%、正会員83%、学生会員51%と上昇している事が報告された。
以上に対して、特に外国人学生会員の会費低減について意見交換があったが、今後の財政状況を勘案した上で新理事会へ任せたいとのことで了解された。

6. 財政関係

平成20年度決算(一般会計、PI特別口座を含む3種の特別会計)に関して竹内より報告があった。会計監査報告の結果も併せて報告され、意見交換の上で承認した。ただし、会費をどの口座で管理してエルセビアへの支払いに向けるかに関しては,新理事長、新理事会への委託事項とした。
意見交換の内容は概略以下の通りである。まず、エルセビアとの新規契約によれば、PI出版について年5%の値上げを規定してあるが、エルゼビア側は、交渉なしに無条件に値上げする気はないと言っている。しかし、PIのクオリティが下がれば、この規定を発動して来る可能性はある。これに関連して、外国人会費を値下げするとなると、もっと日本人会員を値上げするべきだったのではないかという見解がだされた。この件は上述のように新理事会担当事項として引き継ぐ事とした。
平成21年度予算案審議を引き続いて行い、PIに関する5%値上げの懸念はあるものの、エルセビア側としてはどの出版についても同様にしているという事情もあり、不確定要素が完全には除去できないという事を念頭におき、予算案を承認した。

7. 編集関係

有薗編集委員長(~2008年末)よりParasitology International発行状況に関する報告、投稿・審査の現況についての報告がなされた。ついで、名和編集委員長(2009年初頭~)より2009年の状況について報告があった。
意見交換では契約書に値段が書かれてあることの意味は大きく、今後対応しやすいが、その代わりに部数も固定されているので注意深く推移を見る事が必要であるとの見解があった。名和編集委員長からは、エルゼビアとの今後の交渉に関しては学会理事会が対応した方が良いとの意見が述べられた。またPIのネットアクセスについて、会員全員へID番号をつけなければならないが、この作業は新しい理事長に依頼したいと竹内より発言があった。また、竹内より昨年実施したハード・コピーの希望調査について、名誉会員を含め約70人の希望があったが、契約は100部となっており、現時点で30部が残っているとの報告がなされた。

8. 新名誉会員推薦

吉村堅太郎氏(秋田大学名誉教授)が青木 孝教授、片倉 賢教授より推薦され審議の結果、評議員会に推薦する事を決定した。

9. 新評議員推薦

中尾 稔氏(旭川医大准教授)が伊藤 亮教授より推薦され審議の結果,評議員会に推薦する事を決定した。

10. 各委員会報告

  1. プログラム委員会ついて,3年間の活動について、狩野理事より報告があっ た。
  2. 教育委員会に関しては、高橋委員長作成のメモに基づいて竹内より概略報 告が行われた。
  3. 学術委員会の活動については野崎理事より、遺伝子組み換え生物の拡散防止 に関しての文部科学省ライフサイエンス課との協議経過について説明があった。
  4. 情報処理・広報委員会の活動については名和理事より説明が行われた。
  5. 国際交流委員会報告が、片倉理事により行われた。
  6. 用語委員会の活動については、名和理事より報告が行われた。
  7. 日本医学会評議員会報告 渡辺理事より説明。明後年の日本医学会総会について、寄生虫学会は、他学会との合同でシンポジウムへの参画を求められている事が報告された。

11. 学会の在り方について

  1. 小泉賞選考規定
    年齢制限の可否などについて論議したが、本事案は新理事会へ引き継ぐ事とした。小泉賞審査委員は推薦人を兼ねられないことに関しても意見交換を行い、最終的に承認した。審査委員が候補に上がれば、審査委員を辞退することも申し合わせとした。
  2. 学会功労会員制度
    意見交換を行なったが、最終的な結論に達せず、次期理事会に引き継ぐ事とした。

12. その他

  1. Korean Society of Parasitologyが50周年を迎える。記念誌作成に当たって、日本寄生虫学会より祝辞が欲しいとの希望が来ているので、新理事長が対応する事とした。
  2. 次回のICOPA(オーストラリア)の開催について宣伝希望が来ているので周知を図るべく新理事会にお願いする事とした。