平成29年度 春期理事会議事録

平成29年度日本寄生虫学会春期理事会議事録

開催日時:平成29年5月27日(土)11:00〜14:00

開催場所:北海道大学学術交流会館1階第3会議室

出席者:板垣匡、片倉賢、狩野繁之、河津信一郎、小林富美惠、千種雄一、坪井敬文、鳥居本美、名和行文(機関誌編集長)、野崎智義、堀井俊宏、松本芳嗣、丸山治彦、由井克之(五十音順、敬称略)

欠席者:無

オブザーバ:有末伸子(庶務委員)

理事12名出席の元、定刻よりやや遅れて理事会が開催された。千種理事は12時過ぎに到着。審議事項より会議に参加。

【報告事項】

1.会員動向

平成29年5月15日現在の会員動向について堀井理事長より説明があった。

2.会務関係

(1)小泉賞・奨励賞審査経過報告

片倉賢審査委員長より、審査経過についての説明があった。本年度の小泉賞は3名の候補者の推薦があり、小泉賞・奨励賞審査委員による投票が行われた。開票は杉本千尋評議員の立ち合いの元に行われ、第一回目の投票で丸山治彦博士が過半数を超える票を獲得し、受賞が決定したことが報告された。奨励賞については一名の候補者の推薦があり、小泉賞・奨励賞審査委員の審査より、坪川大悟博士の受賞が決定された旨報告があった。

第64回小泉賞宮崎大学・医学部・教授丸山治彦博士

第26回奨励賞北里大学・医学部・助教坪川大悟博士

(2)第86回大会開催状況

片倉賢大会長より口頭にて、事前参加登録人数247、懇親会参加事前申し込み195名と説明があった。

(3)第87回大会準備状況

狩野繁之次期大会長より、第87回大会は平成30年3月16日(金)にサテライトミーティング3月17日(土)、18日(日)の両日に本大会の予定で、国立国際医療研究センター内の施設を利用して開催する予定であること、また、一般公演に加え、基調講演、特別講演、ランチョンセミナー、シンポジウム(北潔先生にオーガナイザーを依頼済み)、ICD講習会などの企画を準備中である旨が報告された。

また、本年6月24日に国立国際医療研究センターで開催される第28回日本臨床寄生虫学会大会、本年11月24-26日に東京大学本郷キャンパスにて開催されるグローバルヘルス合同大会の案内があった。

3.財務関係

(1)下記の支部大会からは下記4件の開催補助金申請書が提出された旨が報告された。

・第63回日本寄生虫学会・日本衛生動物学会北日本支部合同大会

(平成29年10月予定)札幌市

・第77回日本寄生虫学会東日本支部大会(平成29年11月3日)相模原市

・第73回日本寄生虫学会西日本支部大会(平成29年10月14日〜10月15日)

大阪市

・第70回日本寄生虫学会南日本支部大会(平成29年11月4日〜11月5日)

奄美市

(2)関連研究集会からは下記3件の開催補助金申請書が提出されたが報告された。

・第10回寄生虫感染免疫研究会(平成29年2月9日〜2月10日)徳島市

・第25回分子寄生虫学ワークショップ/第15回分子寄生虫・マラリア研究

フォーラム合同大会(平成29年8月予定)帯広市

・第11回蠕虫研究会(平成29年9月9日〜9月10日)長崎市

4.PI編集刊行状況

スライド資料を基に名和編集長からPI誌の編集刊行状況について報告があった。まず、ジャーナルマネージャーの交代について説明があった。現在のジャーナルマネージャーはDinu Krishnand.krishnan@elsevier.com)。次に、レビュープロセスを効率的に行うためには、新種記載の論文に関してジャーナルポリシーを決める必要があること、この件に関して、案文をエディター40名に配布したところ、過半数を超える21名から「agree」の返答が得られたこと、案文は更に検討を重ねた上、Guide for Authorsに記載を予定していることが報告された。また、特別編集号のエディターである北潔先生から、交代の要請があり、太田伸生先生(鈴鹿医療科学大学)にエディター就任を打診中であることが説明された。(追記:

翌日の評議会・総会前に太田先生より、就任の受諾があり、評議会・総会において、就任が承認された)。2015年のインパクトファクター1.86、本年7月に発表される2016年のインパクトファクターは1.72と推定されており、ここ数年下降傾向が続いていることが報告された。特別編集号に関しては、近日中に「タイ肝吸虫発見100周年」に関するissueが発行されるが、それ以外については、5つが「proposal」1つが「idea」の段階であることが報告された。次回のエルゼビアとの契約更新時にインパクトファクターを2.0以上に上げることが目標であり、インパクトの高いレビュー論文の投稿、特別編集号の発行などへの協力が要請された。

5.各種委員会報告

国際交流委員会(狩野理事)

2018年に韓国でICOPAの開催が予定されていること、日独原虫病協会において、原虫病に関する本の出版が予定されていること、日米医学の活動報告などについて発言があった。

・14thICOPAは2018年8月19-24日の日程で韓国、大邱にて開催される。演題登録、参加登録の開始は2018年1月が予定されている。日本寄生虫学会の貢献が期待されており、パラレルシンポジウムを企画予定。

・本年の日米医学は2月ソウルにおいて、薬剤耐性をテーマに開催された。次回は来年1月に長崎にて平山謙二先生をオーガナイザーとして開催予定。

学術委員会(河津理事)

本大会のサテライトミーティングの枠で、以下の学術委員会企画セミナーを開催すること、その開催費用が日本寄生虫学会から支弁されたことが報告された。

タイトル:寄生虫学分野における名古屋議定書実施対応について

講演:鈴木睦昭教授(国立遺伝学研究所ABS学術対策チーム責任者知的財産室室長)

情報処理広報委員会(由井理事)

学会HPについて、議事録をトップページから、移動し、学術集会の情報を掲載するようにデザインを変更した旨説明があった。また、古いMacコンピュータに保存されている寄生虫学会誌のデータの更新(最新バージョンのファイルメーカーで管理できるようにフォーマット変更)を依頼したところ、8社から不可能と断られ、対策を検討中と説明があった。

6.その他報告

狩野理事

昨年度、当学会からICD(インフェクションコントロールドクター)の申請がなかったことが報告された。また、ICD講習会を企画すると開催費用として、20万円+350円×参加人

数の開催補助があることが説明された。来年の第87回学会大会ではICD講習会の開催が予定されているが、2018年度内(2019年3月末)までに開催される学会大会でICD講習会を開催する場合、本年10月ごろまでに開催申請をすることが必要である旨が説明された。

野崎理事

本年12月12月6~9日に神戸ポートアイランドにて開催される2017年度生命科学系学会合同大会(Conbio2017)において、「原虫学・寄生虫学が現代のトップサイエンスにもたらす貢献」というタイトルでシンポジウムを企画した旨報告があった。

鳥居理事

「発表スライドには発表者だけでなく、共同研究者全員のCOIを開示する必要があるのではないかと」という質問に対し、それについては日本医学会で検討されているが、決定事項ではなく、当学会は日本医学会の意向に従う旨説明があった。

【審議事項】

1.会務関係

前回理事会議事録はメール審議で承認済みであり、追加意見等は出されなかった。

(1)第88回大会大会長の推薦について

理事長より、次々回の開催の候補地として、長崎が挙げられ、長崎大学平山謙二評議員が大会長候補として推薦された。理事会において、異議はなく、本人に了解を求めることが確認された。(追記:翌日、平山謙二評議員が第88回大会長の推薦を受諾され、評議会・総会において了承された。)

(2)会計監事の再任

安田(駒木)加奈子評議員の再任(任期:2017-2018年)について、承認され、評議会・総会に諮ることとなった。

(3)名誉会員、終身会員、評議員の推薦

資料を基に、堀井俊宏理事長より説明があり、各被推薦会員の推薦票、略歴等が席上回覧された。すべての被推薦者について承認が確認され、以下の者を名誉会員、終身会員、評議員として推薦し、評議会・総会に諮ることとなった。

名誉会員

内田明彦評議員(推薦人小林冨美惠理事)

終身会員

太田伸生評議員(推薦人赤尾信明評議員)

赤尾信明評議員(推薦人太田伸生評議員)

評議員

木村大輔会員長崎大学大学院医歯薬総合研究科助教

(推薦人由井克之評議員)

都田真奈会員長崎大学大学院医歯薬総合研究科講師

(推薦人由井克之評議員)

安田好文会員兵庫医科大学免疫学講座講師

(推薦人善本知広評議員)

二宮一茂会員千葉大学大学院医学研究院准教授

(推薦人太田伸生評議員、赤尾信明評議員)

案浦健会員国立感染症研究所寄生動物部主任研究官

(推薦人野崎智義評議員)

(4)会則等の改訂

附則

3.本会の事務局は○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○におく。

について、以下のように改訂することが承認され、評議会・総会に諮ることとなった。

3.本会の事務局は理事長の元におく。

(5)奨励賞審査規定の改訂

4.審査方法と決定

審査委員会:その年度の日本寄生虫学会会長が審査委員長となり(以下省略)

について、以下のように改訂することが承認され、評議会・総会に諮ることとなった。

4.審査方法と決定

審査委員会:日本寄生虫学会理事長が審査委員長となり(以下省略)

また、小泉賞の審査に関して、大会長が審査委員長を務めることが慣習となっているが、小泉賞審査規定には、審査委員長は理事長がこれにあたると規定されており、次回からはこれを遵守することを確認した。

(6)役員選挙について

本年は役員(理事、プログラム委員、教育委員)および小泉賞・奨励賞選考委員の改選の年に当たるため、選挙委員会が組織された。堀井理事長によって、松本理事が選挙委員長に指名され、松本理事が丸山理事、坪井理事を選挙委員に指名した。これに庶務委員有末を加え

た4名により選挙管理委員会が組織された。

選挙日程は概ね下記の日程で行うことを確認した。

選挙公示2017年7月末

異議申立締め切り2017年8月末

投票用紙発送2017年10月末

投票締め切り2017年11月末

総会で報告2018年3月17日or 18日

異議申立締め切り総会の一週間後

3.財務関係

(1)平成28年度決算報告

資料に基づき理事長より平成27年度決算報告書の説明があった。収入・支出とも概ね昨年と同程度であり、川合、駒木-安田両監事により、本決算書の会計監査を終えたことが報告された審議の結果、理事会は平成28年度決算報告書を承認し、評議員会、総会に諮ることとした。

(2)平成29年度予算案

資料に基づき理事長より平成29年度予算案の説明が行われた。支部大会、関連研究集会に対する支弁は、2016年夏期理事会で決定した通り、5万円+(演題数×単価)で算出した額とすることとなり、前年度の実績から今年度の単価は5000円とし、演題数に応じた額の支弁を行うことが承認された。

4.その他

 

(1) 青山学院大学飯島教授より「感染症アーカイブズ」(学振委託研究)の件について当学会へ協力要請があった。熱帯医学会にも同様に要請があったということもあり、今回の理事会では当学会としてどのような協力をするのかについては何も決めず、熱帯医学会と当学会との役割分担が見えてくるまでもう少し様子を伺うこととした。

 

(2)「寄生虫標本作製支援事業」について教育委員会から提案があった。標本の元となる材料の調達、使用については、名古屋議定書の締結に伴い、採取元との様々な契約が必要になること、目黒寄生虫館で販売する標本を作製する費用を当学会が負担することに対する違和感、インフォームドコンセントを採ることの煩雑さなど、様々な意見が出され、もう少し問題点や手続きの流れをクリアに整理してから改めて議論することとなった。

(3)「図説人体寄生虫学」の印税収入は毎年120万円前後の額が見込まれている。

その使途について、当面は一般会計に組み入れて使用することで意見が一致した。また、将来的には現在の奨励賞を吉田先生の名前を冠した賞に変更して印税の一部を賞金として使用する意見が出され、今後、議論を重ねることとした。

(4)「学会出版物等の編集に関する委員会」の立ち上げについての議論は次回の理事会持ち越しとなった。

(5)委員不在のまま設置されている「将来問題検討委員会」については、改廃しないこととした。

(6)Parasitology International次期編集長については、名和編集長と堀井理事長が人選を進めている旨報告があった。

(7)日本学術協力財団から賛助会員への勧誘があった件については、他学会の動向を調査した後に改めて可否を決定することとした。

(8)次回の理事会開催時期については8月後半から9月前半の日程で調整する旨理事長より発言があった。

以上をもって定刻を少しオーバーし、14時15分に閉会した。