平成27年度 夏季理事会議事録

平成27年度日本寄生虫学会夏期理事会議事録

 

開催日時 平成27年8月25日(火)12:00〜16:00

開催場所 大阪大学 微生物病研究所 本館6階 セミナー室

出席者:片倉 賢、河津信一郎、小林富美惠、坪井敬文、名和行文(機関誌編集長)、野崎智義、堀井俊宏、松本芳嗣、丸山治彦(五十音順、敬称略)

欠席者: 板垣 匡、狩野繁之、千種雄一、鳥居本美、由井克之(五十音順、敬称略)

オブザーバー:有末伸子(庶務委員)

当日は台風の影響で交通機関が乱れ、予め連絡があった2名に加え、更に3名、合計5名の理事が欠席、1名が1時間遅れて到着予定となったが、開催に必要な定数を満たしていることが報告され、定刻に理事会が開催された。

 

【報告事項】

1.会員動向

平成27年8月17日現在の会員動向について、堀井理事より報告があった。

物故会員2名、総会員数は前回理事会より27名減の726名。

 

2.会務関係

(1)PI誌についての報告

名和機関誌編集長より、資料(Parasitology International-Publisher report 2015)に基づき以下の説明があった。

・インパクトファクターは低下傾向にある。Review articleは高頻度に引用されることが期待出来るため、早急の刊行が望まれる。

・今年は毎月30本以上の投稿数があり、例年より多くなっている。棄却率は約80%。

・オープンアクセスの価格を下げること、現在平均で9ヶ月ほどのProcessing timeを短くすることが望まれている。

・現在、10本のspecial issueの企画があり7本が進行中。他にも良い企画があれば提案して欲しいとの要請があった。

・Referenceを記述するフォーマットはアクセプト後に編集側で修正することが出来るため、投稿時に厳密にフォーマットが守られてなくてもレビューの際に指摘する必要がないと説明があった。

・名和編集長の任期は2016年度までであることが報告された。

(2)第85回大会準備状況

堀井洋一郎時期大会長の代理で丸山理事から準備状況の説明があった。要点は以下の通り。

・大会HPは開設済み。

・大会ポスターは印刷済み。

・演題登録は例年通りUMINの登録システムで行う

・BPAに重点を置いていること。その選考に時間がかかることから、演題登録の締め切り日が若干早く設定されている。

・特別講演の予定無し

・大会終了後に高校生を対象にして、若手寄生虫研究者を中心としたサイエンスカフェの開催を企画している。講師として参加する研究者には規定の謝礼が支払われる。

・懇親会費を例年より安価にするために、会場を県庁前広場にしたこと、またJA宮崎経済連に食材の提供をお願いしている。

(3)次々回大会(第86回大会)について

片倉理事が大会長に内定しており、次回評議員会の議を経て総会で決定する。片倉理事からは、2017年5月27~29日に北海道大学国際交流会館での開催を予定しているとの報告があった。

(4)「図説 人体寄生虫学」の版権委譲および編纂委員会立ち上げの件

「図説 人体寄生虫学」についての印税が南山堂より学会の口座に振り込まれた旨、堀井理事長より説明があった。また、作権者、南山堂、日本寄生虫学会の三者間での契約書の締結は太田前理事長の在任期間中に完了しており、太田前理事長が契約書を保管している旨、松本理事より説明があった。また、編纂委員会は北潔を委員長とし、松本芳嗣、丸山治彦、山田稔(敬称略)を委員として立ち上げることが内定しているが、次回の改訂版の発行が2020年であることを踏まえ、編纂委員会の立ち上げは編纂の必要時期に合わせることが確認された。

 

3.財務関係

(1)大会ならびに支部会開催補助金の支出

(2)各種研究会開催補助金の支出

(1)、および(2)について、今年度の補助金額について、有末庶務委員より資料に基づき説明があった。大会補助金は100万円、4支部大会には各20万円、関連研究集会には前回大会の参加者数×2千円が補助金として支出される。

 

4.委員会報告

(1)COI委員会報告

2015年5月 15日(金)に日本医学会連合研究倫理委員会、日本医学雑誌編集者組織委員会、日本医学会利益相反委員会主催で開催された研究倫理教育研修会に関して、鳥居COI委員会担当理事から参加報告をいただく予定であったが、台風の影響によりやむなく欠席であったため、鳥居理事が用意した資料に基づき、坪井理事から報告があった。要点は以下の通り。

・役員についてはCOI状態の開示を就任前および、決められた時期(例 毎年4月1日)にすることが必要。

・学術集会発表者についてはwebサイトにて演題抄録を登録する時と発表時に発表演題に関連する企業・団体などとのCOI状態を自己申告によって開示することを義務づける。

(2)情報処理広報委員会報告

由井担当理事が台風による交通機関の運休により欠席だったため、堀井理事長が代理で報告書を説明した。要点は以下の通り。

・委員を再編成し、担当の割り振りを行った。

・学会新HPは完成しており、サーバーへの移行作業が完了次第公開予定。(9月中を予定)

・長年同じメンバーで寄生虫症例に関するコンサルテーションを行ってきたが、数名が辞退を申し入れたため、新メンバーを加えて再編成を行っている。

(3)プログラム委員会報告

坪井担当理事より、3月20日に杏林大学で開催された委員会の議事録に基づいて報告が行われた。

また、BPAへ応募数が減少していることへの対応として、次大会では一般演題へのエントリーの中からBPAにふさわしいものをプログラム委員が推薦し、演者の了解が得られればBPAにノミネートすること、推薦は各領域若干数とすることを確認した。さらに、前回大会から、COIについて開示することが求められており、UMINでの登録時にCOI有り無しのチェック欄が設けられているが、特に混乱や問い合わせ等が無かったことから、今年も開示の方法は前回同様にすることとした。

(4)学術委員会報告

河津担当理事より、Kudoa sptempunctataについては別表に記載されたため、P2での組換え実験が可能になった旨説明があった。但し、他のKudoa属の生物種についても、人体への病原性が確認される可能性が高いものがあり、実験室での取り扱いには注意が必要。病原性が確認されると組換え実験には大臣確認が必要となる。関連する情報が得られた場合は速やかにメーリングリスト等を通じて学会員に周知する旨報告があった。また、名古屋議定書に関連して、生物資源の取得の際には必ず相手機関とMTA(Material Transfer Agreement)を交わすよう学会員に指導することを確認した。

(5)その他

委員会報告の最後に、細則を定めていない委員会については、早急に細則を定めるよう堀井理事長より要請があった。

 

【審議事項】

1.前回理事会議事録の確認を行い、これを了承した。

2.会務関係

(1)COIの自主申告のための基準について

理事は就任時および、毎年の決められた時期にCOI状態を申告することが望まれており、そのための様式と基準を整備することとした。また、第84回大会より、研究発表については、演題を登録する時と発表時に、発表演題に関連する企業・団体などとのCOI状態を開示するよう義務づけているため、その基準をHP等に明示することとした。以上について、一般社団法人 日本内科学会のHPに掲載されている様式と基準を参考に日本寄生虫学会の様式と基準を作成するよう鳥居理事に要請することとした。

 

3.財務関係

(1)学会費の納入状況と学会費長期未納者の取り扱いについて

H26年度の会費納入率は約80%であり、例年同程度で推移している。3年度分以上の会費滞納者は94名おり、その内の31名は現住所が不明となっている。各理事に滞納者のリストを配布して声かけを行って貰うと共に、連絡のつかない会員については今年度限りで除籍するものとした。また、滞納者については、会費を納入するまで、機関誌の配布及び閲覧、大会での発表の機会を与えないものとすることを確認した。

(2)支部会と各種研究会への開催補助金の配分方法について

4支部会へ各20万円、関連集会へは前回大会の参加人数×2千円で開催補助を行っているが、支部会と関連集会への補助金額の差が大きすぎるとの意見があり、来年度以降のありかたについて協議した。支部大会と関連集会への補助金額を例えば[前大会の参加人数×開催日数×単価(予算に応じて千円ないし千五百円程度)]といった同一の基準で査定すること、また、同時に査定するために、補助金の申請書は1月末頃を期限に提出してもらうこと、申請のための様式を準備することを確認した。申請数は毎年異なることも予想されることから、補助金額の査定の方法についてはその都度協議することとした。

 

以上をもって16時過ぎに閉会した。