平成28年度 夏期理事会議事録

平成28年度 日本寄生虫学会夏期理事会議事録

 

開催日: 平成28年8月31日(水) 13:00~17:10

開催場所: 大阪大学 微生物病研究所 6階 セミナー室

出席者:片倉 賢、狩野繁之、小林富美惠、坪井敬文、鳥居本美、名和行文(機関誌編集長)、野崎智義、堀井俊宏、松本芳嗣、丸山治彦、由井克之(五十音順、敬称略)

欠席者: 板垣 匡、河津信一郎、千種雄一

オブザーバ:有末伸子(庶務委員)

理事12名の出席の元、定刻に理事会が開催された。

 

【報告事項】

1.会員動向

平成28年8月18日現在の会員数、会費の納入状況について、堀井理事長より説明があった。また、3年以上の会費滞納者が117名存在していることが報告され、今後の取り扱いについて話し合われた。学生会員については、本人と連絡が取れない場合は指導教官に連絡し、対処することとした。また評議員については議決権があるため、放置しておくことには問題があり、会員存続の意思を問う努力をしていくこととなった。

 

2.会務関係

(1)第86回大会準備状況

次期大会の準備状況について、片倉理事(次期大会長)より説明があった。準備は概ね順調に進んでいることが報告された。

ポスターの掲示時間、発表方法、について相談があった。ポスターは2日目も掲示してあることが望ましく、例えば「二日目の15時までに片付けるように」といった案内をすることが提案された。またポスター発表は奇数と偶数に分けて行うことで、発表者が他の発表者の演題を見廻って議論する時間を持てるよう配慮することとなった。

演題登録の期間は12月20日頃から1月20日頃とすることとした。また、今回は、口頭発表とポスター発表の2種類があるため、ある程度は大会長の権限で振り分け(数の調整)をして、その後、大会長と各領域担当の間のやりとりでプログラムの調整を行うよう坪井理事(プログラム委員会担当理事)より申し入れがあった。

鳥居理事(利益相反委員会担当理事)からは、演題登録時と発表時のCOI開示のお願いがあり、スライドでの開示例が回覧された。

片倉次期大会長より、理事会を会期前日の午前中から開始したいとの意向が示され、機関紙運営委員会を平成29年5月27日(土)の10時から11時、理事会を同日11時から14時の予定で行う予定とした。また、委員会やサテライトミーティングには近隣の貸会議室等も利用可能であることが説明された。

(2)第87回大会準備状況

次々期大会の準備状況について、狩野理事(次々期大会長)より説明があった。まずは開催の時期について、平成30年3月24日(土)から25日(日)という案が提示されたが、多くの大学で卒業式の時期と重なるため、一週前の平成30年3月17日(土)から18日(日)が望ましいとの見解でまとまった。また、2018年8月19日から23日の会期で大邱においてICOPAが開催されるにあたり、そこで日本寄生虫学会大会を開催して欲しいという韓国側の提案が示された。ICOPAへは積極的に参加すべきだが、大会をそこで開催することはできないとの意見でまとまった。

 

3.財務関係

(1)今年度開催が予定されている4支部大会に対し、開催補助金が支払われたことが報告された。内訳は以下の通り。

・第62回日本寄生虫学会・日本衛生動物学会北日本支部合同大会

(平成28年10月15日) 十和田市 / 150,000 円

・第76回日本寄生虫学会東日本支部大会(平成28年10月22日) 東京 / 152,000 円

・第72回日本寄生虫学会西日本支部大会(平成28年10月15日〜10月16日)

岐阜市 / 188,000 円

・第69回日本寄生虫学会南日本支部大会・日本衛生動物学会南日本支部大会合同大会

(平成28年11月5日〜11月6日) 佐賀市 / 364,000 円

(2)今年度開催が予定されている3関連研究集会に対し、開催補助金が支払われたことが報告された。内訳は以下の通り。

・第9回寄生虫感染免疫研究会(平成28年2月11日〜2月12日) 鹿児島市 / 120,000 円

・第24回分子寄生虫学ワークショップ/第14回分子寄生虫・マラリア研究フォーラム合同大会(平成28年8月21日〜8月24日) 帯広市 / 366,000 円

・第10回蠕虫研究会(平成28年11月19日〜11月20日)熱海市 / 120,000 円

 

4.PI編集・刊行状況

名和編集長よりParasitology Internationalの編集・刊行状況について報告があった。

今年の3月に電子投稿のプラットホームが変更されたが、バグが多く報告されおり、随時、修正が行われている。不具合を見つけた場合は編集長もしくはJournal Manager のAnita Srinivasaraghavan (A.srinivasaraghavan@elsevier.com) まで報告して欲しいとのことであった。

IFはこの2年間1.86を維持しているが、2.0~2.4程度を目標としている。そのために、Special Issueの規格をお願いしたいこと、また、現在、年内発行予定のSpecial Issue が3つ、企画段階のものが6つあることが報告された。

名和編集長の任期終了が迫っているので、次の編集長の人選についても考えてほしい旨発言があった。

 

5. その他報告事項

(1) 大会終了後に日本寄生虫学会・宮崎大学清花アテナ男女共同参画推進室の共催で開催された高校生のためのサイエンスカフェ~めくるめく研究者の世界(H28.3.20)の開催報告が丸山理事よりあった。41人の参加者があり、テーブルに分かれてデモとグループディスカッションが行われた。参加者アンケートではポジティブな回答が多く、高校生に寄生虫や研究に興味を持ってもらういい機会を与えることができたと思われた。次期大会長より、どなたかが企画してくれるのなら、場所は提供できるとの発言があったが、「毎年やらなくてもいいのでは」、「検討はする」等の意見が出るにとどまった。

(2)各委員会からの報告事項

国際交流委員会

・International Congress for Tropical Medicine and Malaria

2016年9月18日~22日(ブリスベン)

・GHIT Fund Target Research Platform (TRP; 標的研究プログラム)

応募締め切り2016年9月14日

・平成28年度「地球規模保健課題解決促進のための研究事業(日米医学協力計画)」

に係る若手・女性育成のための公募 応募締め切り 2016年9月30日
・ICOPA XIV  2018年8月19-23日 韓国 大邱

の紹介があった。 前回、メキシコシティに置いて開催されたICOPAにはBPA受賞者を対象としたトラベルアワードが設定された。ICOPA XIVについても国際交流委員会でトラベルアワードを検討してほしいとの提案が寄せられた。

情報処理広報委員会

現在、前事務局の赤尾先生によって作成・保管されているデータベース(寄生虫学雑誌PDFなどを含む)がパソコンのOSとソフトウェアの問題で公開出来ない状態にあるため、専用のWindows PCとソフトウェア(最新版のFile Maker)の購入をお願いしたいとの発言があった。これについてはサポートする方向で検討することで意見がまとまった。

コンサルテーションに寄せられる大容量の画像をメーリングリストに流さないようにする取り組みとして、大サイズのドロップボックスを用意したことが報告された。

会員専用ページを設定してほしいという要望に対しては、HPの更新方法について前任者からの引き継ぎ途上であるため、もう少し時間がかかることが報告された。

用語委員会

担当理事である板垣理事が欠席のため、事前に提出された報告事項を堀井理事長が読み上げた。用語委員会では暫定新寄生虫和名表(2008年5月22日、前用語委員会作成)の見直し・検討を進めており、2017年の総会(札幌)を目処に新寄生虫和名表として発行することを目指していることが報告された。獣医学会にも寄生虫の和名表があり、それとの不整合が出ないようにして欲しいとの意見が出された。

利益相反委員会

「役員等のCOI自己申告書」提出のお願いと、COI基準を学会HPにおいて公開する予定であるとの報告があった。

その他

各委員会の細則を学会HP上で公開するに先立ち、現在の委員会細則が会則、委員会設置規定に矛盾していないかどうかを検討することとなり、各委員会担当理事が担当の委員会細則を確認し、結果を事務局に報告することとなった。

来年度は理事選挙が行われるが、次回の春期理事会において選挙委員会を立ち上げるのでは、南支部会、西支部会の会則にそぐわない点があることが指摘された。そのため、矛盾が生じないよう、西支部会、南支部会の会則を変更することを西及び南支部の支部長にお願いした。

また、理事選挙に際しては問題を洗い出して理事メールで審議することが申し合わされた。

 

【審議事項】

  • 平成28年度日本寄生虫学会春期理事会議事録が本理事会において承認された。
  • 会務関係
  • ICD協議会への学会代表者交代について

現在の学会代表委員である木村幹男先生から、高齢のため代表を辞したいとの要請があり、次の代表について協議した。その結果、狩野理事が学会代表委員お引き受けくださることとなった。

  • 財務関係
    •  支部大会及び関連研究集会への補助金額についての協議

協議に先立ち、まず、堀井理事長より、平成27年度に本学会からの補助金を使用して開催された4支部大会、4研究集会の収支報告と本年度、4支部、3研究団体に配分された補助金額についての説明があった。次に、補助金額の配分方法についての理事長案、坪井理事案が、続いて、本日欠席された板垣理事、河津理事からの意見書が読み上げられた。

 

1)      平成25年度に決められたルールに従い、4支部に各支部当たり20万円を限度とする80万円、関連研究団体には合計で50万円、合計130万円の枠組みの中での配分をするべきではないかとの意見が出されたが、本理事会において新規に配分法を協議し、来年度はその方法により配分額を決定することを確認した。

2)       支部大会と、蠕虫、分子、免疫の関連研究集会に対する補助金を同一の基準で算定し配分することとなった。

3)       補助金額に一定の基準額(ベース、査定に含めず各支部・研究団体に均等に配分される額)を設ける。各支部・研究団体にベースとして5万円を配分することとなった。

4)       算定方法については、開催日数×参加者数を用いた昨年度と異なり、演題数に応じた額とすることが決議された。

5)       各集会に配分する補助金の総額については、130万円とすることとなった。

6)       算定に必要な一演題あたりの単価は前年度に補助した全支部大会・研究集会の総演題数を元に算出すること [一演題当たりの単価 = (130万円-5万円×申請件数)/ 前年度総演題数 ]、支部・研究団体当たりの補助金額はベースの5万円に一演題当たりの単価×発表予定演題数を加算した額とすることが確認された。

7)       前年度に開催された支部大会・研究集会の総演題数を元に一演題当たりの単価を計算し、その単価に応じて当該年度の支部大会・研究集会の補助金を支給すると、支給総額が130万円に一致しないことが想定されるが、当該年度の予算には約130万円として評議会・総会の承認を得ることとなった。

8)     補助金は補助の対象となる会における当該年度の発表演題数が確定した時点で補助金額を確定して支払われること、そのための申請フォームを新たに作成することが確認された。

9)     平成28年度以降は支部大会、研究集会の終了後に発表プログラムと収支報告書を提出してもらうことを義務化し、そのための収支報告書のフォーマットを作成することとなった。

10)   新規に立ち上がった研究集会については補助金の申請があった時点で補助金の拠出の可否を理事会において審議することとした。

以下の議論は先の理事会で議決されませんでしたので、ここでメール審議をお願いいたします。

11)   収支が黒字になった場合の残額の取り扱い、

12)   演題数のカウント方法(特別講演などは2とカウントするか否か?)

13)   演題数の確定前に会場費を前払いする必要などがある場合が想定され、ある程度の補助金を必要とするという意見が出された。

 

後日、これらについて以下の理事長案が提出され、メール審議で了承された。

 

ア.収支が黒字になった場合は、残額を当該集会の会計に組み入れてもらい、返還の必要はない。

イ.特別講演などは2演題とカウントする。

ウ.基準額(ベース、5万円)を前もって各支部または各集会に入金する。

エ.今回の理事会の議論では配分額を“査定”するという言葉を使っているが、査定は上から目線の言葉なので、“算定”という言葉に置き換える。

  • その他
    •  「ぎょう虫卵検査紙の供給」について

ぎょう虫卵検査紙が製造中止となり入手できない状態であることについて、丸山理事より発言があった。業者をみつけて再販の方向へ導く活動があること、活動することを学会として認めてほしいこと、要望書の提出等が必要になった際には協力をお願いしたい旨の発言があった。学会としても協力することで意見がまとまった。

 

吉田先生の著書「図説人体寄生虫学」の印税の使途、「学会出版物等の編集に関する委員会」の立ち上げなどに関して議論したいとの意見があったが、時間切れとなりこれらについては次回の理事会に持ち越しとなり、17時10分に閉会した。