平成24年度 総会議事録

平成24年 第81回日本寄生虫学会総会議決事項

開催日時 平成24年3月22日(木)13:25~14:20
開催場所 兵庫医科大学 大学4号館A会場

総会に先立ち、昨年7月の第80回大会総会以降にご逝去された2名の会員(後藤俊二会員、岡本 謙一元会員)に対して黙祷を捧げた。

1.会務報告(太田理事長)

(1)会員動向
平成24年3月15日現在の会員動向について報告があった。昨年度の総会において、これまでの外国人会員種別を廃止し、正会員とすることが認められたため、今回は外国人会員が19名から0名に減少した。現在、会員数748名と昨年よりも50名近い減少となった。

(2)役員並びに各種委員会委員選挙結果報告
本年度から任期が始まる理事、教育委員、プログラム委員、小泉賞・奨励賞選考委員の選挙の結果について理事長より報告があった。新しい理事、各種委員会委員については学会終了後速やかに学会HPに掲載することがご報告された(平成24年3月26日掲載済み)。

(3)役員選出方法に関する会則の改定について
役員の選出方法を、これまでの各支部における評議員の互選による形式から、選任権はすべての正会員に与え、被選任権は評議員に限る形式にあらため、選挙自体を学会本部が管轄するように会則を改定することが了承された。次回の総会開催時に決定できるよう詳細を詰めることが了承された。支部大会については、これまでどおり、各支部独自の判断で行うこととした。学会財務状況が改善すれば、本部は支部が支部大会を開催する場合には物心両面で支援する旨の発言が理事長よりあった。

(4)第82回大会の準備状況
太田伸生次期大会長より、会期は平成25年3月29日(金)、30日(土)、31日(日)の3日間とし、会場は東京医科歯科大学の湯島キャンパスで開催することが報告された。また、開催年である2013年は宮入慶之助によるミヤイリガイ発見百周年にあたることから、記念シンポジウムを企画するとともに、宮入慶之助記念館、国立科学博物館などと協力して企画展示行う予定であることが報告された。詳細については今後HPなどで広報する旨発言があった。

(5)第83回(次次期)大会開催について
平成26年度の第83回大会は愛媛大学坪井敬文教授を大会長として松山市で開催することが承認された。

(6)名誉会員、評議員の推薦
新名誉会員として、平井和光鳥取大学名誉教授(推薦人:鳥居本美)、新評議員として、石川洋文会員(岡山大学、推薦人:平山謙二、太田伸生)、金 恵淑会員(岡山大学、推薦人:北 潔、太田伸生)、駒木-安田加奈子会員(国立国際医療センター研究所、推薦人:狩野繁之)、美田敏宏会員(東京女子医科大学、推薦人:北 潔、太田伸生)、門司和彦(人間文化研究機構、推薦人:平山謙二、太田伸生)の推薦があり承認された。

(7)小泉賞・奨励賞審査経過報告(中西憲司 選考委員長)
第59回小泉賞は伊藤 亮教授(旭川医科大学)の「人獣共通条虫症(嚢虫症、エキノコックス症)に関する免疫診断法の研究」に授与され、また第21回奨励賞については、後藤康之助教(東京大学)の「寄生虫タンデムリピート抗原の網羅的解析および血清学的診断への応用」と見市文香助教(佐賀大学)の「Mitosomes in Entamoeba histolytica contain a sulfate activation pathway」に贈られることが、審査委員長の中西憲司大会長より報告があった。

(8)桂田賞受賞者の紹介(竹内 勤 日本予防医学協会理事長)
本年度の第60回桂田賞は有薗直樹京都府立医科大学名誉教授の「腸管寄生虫線虫の感染局所における宿主寄生体関係の研究」に贈られたことが報告された。

(9)小泉賞・奨励賞選考内規の改定
小泉賞・奨励賞については、学会総会において理事長名で受賞者に授与することとするよう選考内規を改めることとが承認された。

2.財務関係(太田理事長)

(1)平成23年度決算報告
平成23年度の一般会計並びに特別会計について、資料を基に理事長から説明があり、2名の会計監事(青才会員、小林会員)により監査を受けたことが報告され、審議の結果、満場一致で承認された。

(2)平成24年度予算案
平成24年度予算案について、エルゼビア社へParasitology International刊行費を支払うと平成25年度の次年度繰越金が大幅に減少することが理事長より説明があった。これを解消するためにエルゼビア社と現在交渉中であるとの報告があった。また、学会の財務に関する問題を検討するため、「将来問題検討委員会」の設置が提案され、堀井新理事が理事長とともにこれを担当することが了承された。なお、会員より、学会財務の健全化に向け長期的な視野で議論を進めるよう意見があった。

(3)会計監事推薦
新しい会計監事として、理事長より川合 覚会員(獨協医科大学)を推薦したい旨の発言があり、満場一致でこれを承認した。

3.PI誌編集・刊行状況(名和編集長)

名和編集長より論文投稿状況、採択率などついて資料を基に説明があった。今後さらにImpact Factorを上げるために、会員からの特集号の企画提案やreview articleの投稿を求める発言があった。

4.国際微生物連盟2011札幌会議報告(北 潔理事)

北理事より、2011年9月に開催されたIUMS2011会議について北理事から、寄生虫関連では8つのシンポジウムを開催し、成功裏に終了したことが報告された。また、学会からの助成金は海外からの招待講演者のregistration feeとして活用させていただいた旨、感謝の意が表せられた。

5.各種委員会報告

国際交流委員会:狩野担当理事より、第17回日独原虫病シンポジウムの概要と時期の予定、日米医学協力研究会・寄生虫疾患部会の現状、フォーラムチェジュ15の予定、ICOPAにおけるシンポジウムの説明、橋本イニシアチブ総括国際シンポジウムの案内などについて説明があった。
また、評議員会においては福本教育担当新理事より、寄生虫学講座のない大学教育機関における寄生虫学教育に関するアンケート調査を実施したいので評議員の協力をお願いする旨の発言があった。また、金田名誉会員から、日独原虫シンポジウムが来年ドイツで開催されるので、多数の参加をお願いしたい旨の発言があった。