「医療機関向けコンサルテーション」へ質問のあった項目のうち,よくある質問とその回答を掲載します。コンサルテーションする前に一度はご覧下さい。

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質問アメーバ赤痢による肝膿瘍の際のドレナージの必要性について教えてください。
回答

●アメーバ肝膿瘍とわかっている場合には、ruptureの危険性がないならば強いてドレナージを行う必要はありません。メトロニダゾールの経口投与のみで改善します。通常10ー14日の投与を行うと、薬剤中止後数カ月で徐々に縮小していきます。 私はruptureの可能性が強ければドレナージを行いますが、通常のアメーバ肝膿瘍ならば行いません。

●ドレナージを行ったならば、必ず細菌培養検査を行ってください。この場合、メトロニダゾールの投与を行った後ですが、通常の菌以外に嫌気性菌の検索も同時にオーダーしてください。また、膿汁から赤痢アメーバのDNAの検出を試みることをお勧めします。なお、アメーバ肝膿瘍の膿汁は教科書ではアンチョビソース様と書いてありますが、必ずしもそうとは限りません。

質問アメーバ赤痢の患者が入院中です。検査器具の消毒,トイレの使用などについて教えてください。
回答

●大部屋への移動は可能です。共同トイレの使用も問題はありません。 通常の生活では赤痢アメーバは他人へ感染しません。まして、内視鏡で改善傾向にあり、生検で赤痢アメーバが検出されず、フラジール投与中であればなおさらです。 私の外来では、最初から入院せずに通常の生活を送っているアメーバ赤痢の通院患者さんもいらっしゃいます。

●アメーバ赤痢であっても特別な内視鏡の消毒は不要です。当院では他の感染症と同様にサイデックスを使用しております。 HIV、TPHA、HBはどうだったのでしょう。アメーバ赤痢患者では陽性の割合が高いです。

●5類感染症の全数報告を必要とする疾患ですので、保健所への届け出は必要です。