日本寄生虫学会 2025年度評議員会・総会議事録
日時:2025年3月18日(火) 12時00分~
会場:大阪大学吹田キャンパス コンベンションセンター(第94回大会会期中)
【報告事項】
1. 会員動向
事務局より、会員数は減少傾向にあるが、これは会費未納会員を整理した結果であり、実態を反映した数であることが報告された。
2025年3月13日現在の年会費納入率は48.9%(予定額6,401,000円/納入額3,127,000円)であり、2024年度の納入率は82.5%(予定額7,149,000円/納入額5,900,000円)であることが報告された。
また、以下の3名の物故会員が報告され、全員で黙祷を捧げた。
– 藤﨑幸蔵 名誉会員(2024年6月25日逝去)
– 吉田幸雄 名誉会員(2024年10月5日逝去)
– 平井和光 名誉会員(2025年2月20日逝去)
2. 第94回大会 概況報告
岩永史朗大会長(大阪大学)より、開催中の第94回大会の参加者が約275~280名であることなどが報告された。
3. 第95回大会 準備状況
辻尚利大会長(北里大学)より、第95回大会は2026年3月21日(土)~22日(日)に北里大学相模原キャンパスにて開催予定であり、前日(3月20日)には関連集会を予定していることが報告された。
4. 小泉賞・奨励賞審査結果報告
丸山治彦理事長(小泉賞審査委員会委員長)より、第72回小泉賞は帯広畜産大学 原虫病研究センター 西川義文博士に、第34回奨励賞は東京科学大学 馬場みなみ博士および愛媛大学 福本隼平博士に授与されることが報告された。
5. 『Parasitology International(PI)』編集・刊行状況
由井克之編集長より、投稿数は順調に増加しているものの、リジェクト率が高いこと、また、投稿の多くはアジア地域からであるが、近年はアフリカからの投稿も増加傾向にあるとのこと、インパクトファクターについては低下傾向にあり、これはクラリベイト社による算出方法の変更が影響していることなどの説明があった。
6. 会員情報管理・学会バンク関連
事務局より、学会バンク運用に関する現状と課題が報告された。メールアドレスの更新が不十分な会員、インターネット環境のない会員、日本語を理解しない会員への対応について、周辺会員による支援を依頼する旨が述べられた。
【審議事項】
1. 財務関係
理事長より、2024年度収支決算および2025年度予算案の説明があった。
前日の理事会で必要性が指摘された法人化準備のためのコンサルタント費用については、新年度予算には計上せず、『Parasitology International(PI)』の契約内容の更改を優先課題とすることが説明された。
また、支部大会・研究会への補助金は、寄生虫学会員の演題に限る方針が維持されることが確認された。これらの提案は拍手をもって承認された。
2. 会計監事の選出
吉田彩子会計監事(宮崎大学)の任期満了に伴い、新会計監事として熊谷貴評議員(日本文理大学)が推薦され、承認された。
3. ICD制度協議会代表委員の交代
狩野繁之(国立国際医療研究センター)前代表委員の退任に伴い、新代表委員として久枝一(国立感染症研究所)が推薦され、承認された。
4. 終身会員および評議員の推薦
事務局より推薦書に基づく推薦が報告され、以下のとおり承認された。
【終身会員の推薦】
– 宇仁 茂彦 評議員(推薦人:木村 大輔 評議員)
– 大西 健児 評議員(推薦人:所 正治 評議員)
【評議員の推薦】
– 熊谷 貴(推薦人:石野 智子)
– 新澤 直明(推薦人:石野 智子)
– 二瓶 浩一(推薦人:野崎 智義)
– 菊地 泰生(推薦人:丸山 治彦)
– 三條場 千寿(推薦人:後藤 康之)
– 渡辺 恒二(推薦人:橘 裕司)
– 柳田 哲矢(推薦人:佐藤 宏)
5. 日本住血吸虫山梨株の維持管理について
石野智子理事より、国内における日本住血吸虫実験室株の維持状況について報告があった。
東京科学大学、獨協医科大学、産業医科大学の3施設で維持が行われているが、中間宿主であるミヤイリガイの実験室内での飼育が困難であり、定期的に現地で採取する必要がある状況にある。3施設とも生活環の維持が今後1~2年程度で困難になる可能性があり、維持管理体制の今後の方針について早急に検討する時期に来ていることが確認された